《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「膨れるなよ。未成年者の誘拐事件はまだ解決してないんだ。スズランはその未成年者に該当するんだから危ないだろ?」
「そう、だけど!」
「本来なら外出自体禁止なんだからな? 酒場に着くまでは大人しく目立たないようにしててくれ」
「っ…はい…」
するとしょんぼりとしょげてしまった。その顔に耐えきれず小さく笑みを零すと更に頬を染めながら睨みつけてくる。
「どうして笑うの? 失礼だわ!」
「くくっ! だってお前見てるところころ顔変わっておもしろいから」
「もうー! ライアの馬鹿ぁ!!」
地団駄を踏みそうな勢いのスズランに笑いを堪えながらも謝る。
「悪かったよ、でも可愛いなって」
「っ…! ラ、ライアの馬鹿…」
「なんだよ。 二回も馬鹿って言ったな? いやこれで三回目だ」
「だって…!」
そんな他愛無い会話をしながら歩いていると、突如後ろから声をかけられた。
「───早朝から痴話喧嘩かしら? ずいぶんと仲が宜しいことね?」
振り向くとすぐ後ろにヴァレンシアが立って居た。
「ヴァレンシア!? いつから居たんだ?」
「ん、いい子だ……の辺りからよ?」
「っ…居たならもっと早く声をかけてくれよ!」
「そう、だけど!」
「本来なら外出自体禁止なんだからな? 酒場に着くまでは大人しく目立たないようにしててくれ」
「っ…はい…」
するとしょんぼりとしょげてしまった。その顔に耐えきれず小さく笑みを零すと更に頬を染めながら睨みつけてくる。
「どうして笑うの? 失礼だわ!」
「くくっ! だってお前見てるところころ顔変わっておもしろいから」
「もうー! ライアの馬鹿ぁ!!」
地団駄を踏みそうな勢いのスズランに笑いを堪えながらも謝る。
「悪かったよ、でも可愛いなって」
「っ…! ラ、ライアの馬鹿…」
「なんだよ。 二回も馬鹿って言ったな? いやこれで三回目だ」
「だって…!」
そんな他愛無い会話をしながら歩いていると、突如後ろから声をかけられた。
「───早朝から痴話喧嘩かしら? ずいぶんと仲が宜しいことね?」
振り向くとすぐ後ろにヴァレンシアが立って居た。
「ヴァレンシア!? いつから居たんだ?」
「ん、いい子だ……の辺りからよ?」
「っ…居たならもっと早く声をかけてくれよ!」