《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「そりゃあ、あんたには関係ないかもしれないけど俺たち一般の民にとってあんたら王族は雲の上の存在じゃあないか…」
雲の上の存在……。ラインアーサはその言葉に眉を顰めた。確かに王族ではあるが、その事を鼻にかけたりはしたくない。常々そう思っているからだ。
「無理強いはしない。その結果スズランがお前の方を向いたなら俺は身を引くつもりだ……」
「そんなの卑怯だ…! スズの気持ちはもう、ずっと前からあんたに向いてるじゃあないか!」
「お前と対等な位置に着くようにけじめはつける。それなら文句無いか?」
「そんなのどうやって、、」
「俺はスズランにひとつ嘘を吐いている…。それを身分とともに明かす」
「嘘を、吐いてる?」
「ああ、それだけで嫌われるかもしれない……」
ジュリアンの言う通り、もっと早めに誤解を解くべきだったとは思う。故意的ではないが警備員になりすまし、果ては素知らぬふりでスズランの相談に乗ったりした。知っていて騙していたのだから今更謝って許される事ではない。
「ふん。よくわからないけど早いとこスズにそれを伝えろよな! 王子さんよ。それと、王宮に連れて行ったりしたらそれこそ不平等だからな!」
雲の上の存在……。ラインアーサはその言葉に眉を顰めた。確かに王族ではあるが、その事を鼻にかけたりはしたくない。常々そう思っているからだ。
「無理強いはしない。その結果スズランがお前の方を向いたなら俺は身を引くつもりだ……」
「そんなの卑怯だ…! スズの気持ちはもう、ずっと前からあんたに向いてるじゃあないか!」
「お前と対等な位置に着くようにけじめはつける。それなら文句無いか?」
「そんなのどうやって、、」
「俺はスズランにひとつ嘘を吐いている…。それを身分とともに明かす」
「嘘を、吐いてる?」
「ああ、それだけで嫌われるかもしれない……」
ジュリアンの言う通り、もっと早めに誤解を解くべきだったとは思う。故意的ではないが警備員になりすまし、果ては素知らぬふりでスズランの相談に乗ったりした。知っていて騙していたのだから今更謝って許される事ではない。
「ふん。よくわからないけど早いとこスズにそれを伝えろよな! 王子さんよ。それと、王宮に連れて行ったりしたらそれこそ不平等だからな!」