《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ん? そうだよな、セィシェル」
ラインアーサは得意げに口角を持ち上げ、にっこりと笑顔を見せた。
「騙されてる……」
「え?」
「だから、スズはこいつの笑顔に騙されてるんだ…!」
「そんな事ないよ! ライアは誰にでも親切だし、それにすごい優しいもの!!」
「っスズラン?」
突然のスズランの力説にくすぐったい気持ちになるも、すぐにセィシェルの鋭い視線と言葉が刺さる。
「誰にでも親切って何だよ、うさんくさ! 少なくとも俺には違うし!! とにかくさっきの話はわかったからあんたも約束守れよ? 抜けがけは無しだからな!!」
「ああ、わかってる。お前こそな」
ラインアーサも分かっているつもりだ。もうこれ以上スズランにも自分自身にも嘘は吐きたくない。少しでも早く真実を伝え、気持ちを知りたい……確かめたい。
ラインアーサはスズランの瞳をじっと見つめた。
「ライア…? ……あ、ライアにお客さんが! 昨日の、ハリさんって方がいらしてるの! わたし呼びに来たんだった!」
「っ…何? ハリが!?」
「うん、雨がひどいから中に入って待ってもらってて! なんだか急ぎの用事があるみたいで…!」
「急ぎだって?」
ラインアーサは得意げに口角を持ち上げ、にっこりと笑顔を見せた。
「騙されてる……」
「え?」
「だから、スズはこいつの笑顔に騙されてるんだ…!」
「そんな事ないよ! ライアは誰にでも親切だし、それにすごい優しいもの!!」
「っスズラン?」
突然のスズランの力説にくすぐったい気持ちになるも、すぐにセィシェルの鋭い視線と言葉が刺さる。
「誰にでも親切って何だよ、うさんくさ! 少なくとも俺には違うし!! とにかくさっきの話はわかったからあんたも約束守れよ? 抜けがけは無しだからな!!」
「ああ、わかってる。お前こそな」
ラインアーサも分かっているつもりだ。もうこれ以上スズランにも自分自身にも嘘は吐きたくない。少しでも早く真実を伝え、気持ちを知りたい……確かめたい。
ラインアーサはスズランの瞳をじっと見つめた。
「ライア…? ……あ、ライアにお客さんが! 昨日の、ハリさんって方がいらしてるの! わたし呼びに来たんだった!」
「っ…何? ハリが!?」
「うん、雨がひどいから中に入って待ってもらってて! なんだか急ぎの用事があるみたいで…!」
「急ぎだって?」