《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
ラインアーサはセィシェルの部屋を出ると下の居間へ続く階段を駆け下りる。
居間へ行くとユージーンがハリに珈琲を出している所だった。
「ハリ!! 俺がここに居るってよくわかったな!」
声をかけるとハリは静かに立ち上がり呆れた様子で首を傾げた。
「ライア、私を誰だと思ってるんです? 全く…!」
「悪かった。そんなに怒るなって! で。何かあったのか?」
ハリはそのままラインアーサの所へ来ると耳元で小さく呟いた。
「……イリアーナ様が今朝方倒られました。早急に王宮へ戻ってください」
「っ…!? 姉上が…?」
ハリが冗談を言う訳がなく、その表情から事態は思わしくないのだろうかと気がはやる。
「急いで戻りましょう、ライア」
「あ、ああ…。そうだな」
「マスター、珈琲ご馳走になりました。私達はこれにて失礼します」
「……悪いなマスター。いろいろ世話になった! スズランの事、頼む…!」
「いえ、そんな! またも貴方様にご迷惑を掛けてしまった事なんとお詫び申し上げれば良いのか……」
「ラ、ライア…! もう行っちゃうの?」
スズランも階段から下りてきて寂しそうな顔をしながらラインアーサの元に駆け寄ってくる。
居間へ行くとユージーンがハリに珈琲を出している所だった。
「ハリ!! 俺がここに居るってよくわかったな!」
声をかけるとハリは静かに立ち上がり呆れた様子で首を傾げた。
「ライア、私を誰だと思ってるんです? 全く…!」
「悪かった。そんなに怒るなって! で。何かあったのか?」
ハリはそのままラインアーサの所へ来ると耳元で小さく呟いた。
「……イリアーナ様が今朝方倒られました。早急に王宮へ戻ってください」
「っ…!? 姉上が…?」
ハリが冗談を言う訳がなく、その表情から事態は思わしくないのだろうかと気がはやる。
「急いで戻りましょう、ライア」
「あ、ああ…。そうだな」
「マスター、珈琲ご馳走になりました。私達はこれにて失礼します」
「……悪いなマスター。いろいろ世話になった! スズランの事、頼む…!」
「いえ、そんな! またも貴方様にご迷惑を掛けてしまった事なんとお詫び申し上げれば良いのか……」
「ラ、ライア…! もう行っちゃうの?」
スズランも階段から下りてきて寂しそうな顔をしながらラインアーサの元に駆け寄ってくる。