《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
ラインアーサはその言葉がどうしても気になり尋ねた。
「そうだよ。アナは身体が弱かったからね……それではすぐに準備を整えよう! オゥに連絡を取り、急いでブラッド君にも知らせなくては!! こうしてはいられない」
ライオネルは足早に部屋の外へと向かう。
「あ。父上、約束…!」
「ああ、忘れないよ! アーサこそ私に愛しい人を紹介すると約束しておくれ、必ずだよ?」
片目を閉じ悪戯っぽく微笑むとライオネルは来た時の様に慌ただしく談話室を後にした。
「ふふ。陛下のご様子、本当にエテジアーナ様の時を思い出します……」
「え…?」
フロラが瞳を閉じながらしみじみと語り出した。
「私はエテジアーナ様がアーサ様…。貴方様を身に宿された時の事を今でもはっきりと思い出せますよ」
「っ…俺を!?」
「ええ…。アーサ様の時はそれはとても心配されたのですよ?」
「心配って……なんで…」
「エテジアーナ様は元々お身体が弱かった上にイリア様の御出産の時に一度、母子共に危険な状態になった事があったのです。故に二人目は絶対に無理だろうとし判断し、断念していたんです」
「そんな事が……」
フロラが深く頷く。
「そうだよ。アナは身体が弱かったからね……それではすぐに準備を整えよう! オゥに連絡を取り、急いでブラッド君にも知らせなくては!! こうしてはいられない」
ライオネルは足早に部屋の外へと向かう。
「あ。父上、約束…!」
「ああ、忘れないよ! アーサこそ私に愛しい人を紹介すると約束しておくれ、必ずだよ?」
片目を閉じ悪戯っぽく微笑むとライオネルは来た時の様に慌ただしく談話室を後にした。
「ふふ。陛下のご様子、本当にエテジアーナ様の時を思い出します……」
「え…?」
フロラが瞳を閉じながらしみじみと語り出した。
「私はエテジアーナ様がアーサ様…。貴方様を身に宿された時の事を今でもはっきりと思い出せますよ」
「っ…俺を!?」
「ええ…。アーサ様の時はそれはとても心配されたのですよ?」
「心配って……なんで…」
「エテジアーナ様は元々お身体が弱かった上にイリア様の御出産の時に一度、母子共に危険な状態になった事があったのです。故に二人目は絶対に無理だろうとし判断し、断念していたんです」
「そんな事が……」
フロラが深く頷く。