《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
突発的な二の腕の痛みが起きがけの思考をはっきりとさせる。
ラインアーサの左の二の腕に刻まれている刺青。以前から時たまその部分がちくちくと痛む時があるのだ。幼い頃に煌都パルフェにて施した刺青だとライオネルから聞かされてはいたがその詳しい理由までは知らされていなかった。ただ刺青を人前に晒さぬようにとだけ言われている為、普段は隠している。
「んん…。もう痛みは引いたか。最近多いんだよな。父上はお守り的な物とか言ってたけど本当に効果あるのか? この刺青」
ラインアーサは大きく欠伸をしながら頭を掻く様にかき混ぜた。
「んー、、なんかおかしな夢を見たような気がするけど……」
何気なく窓の外を見ると既に陽は落ち、薄暗かったが雨は止んでいる様子だ。
スズランはどうしてるだろう……。
朝は慌ただしく王宮へ戻ってきた為、悪い事をしたなと気がかりだった。そのまま出窓に腰を下ろし眼下に広がる森を眺めると、森の樹々が妙に騒ついている。まさか……。
「っ…あいつ、また抜け出したのか…!?」
ラインアーサは弾かれた様に部屋を飛び出すと 逸散に横庭の森へと向かった。
ラインアーサの左の二の腕に刻まれている刺青。以前から時たまその部分がちくちくと痛む時があるのだ。幼い頃に煌都パルフェにて施した刺青だとライオネルから聞かされてはいたがその詳しい理由までは知らされていなかった。ただ刺青を人前に晒さぬようにとだけ言われている為、普段は隠している。
「んん…。もう痛みは引いたか。最近多いんだよな。父上はお守り的な物とか言ってたけど本当に効果あるのか? この刺青」
ラインアーサは大きく欠伸をしながら頭を掻く様にかき混ぜた。
「んー、、なんかおかしな夢を見たような気がするけど……」
何気なく窓の外を見ると既に陽は落ち、薄暗かったが雨は止んでいる様子だ。
スズランはどうしてるだろう……。
朝は慌ただしく王宮へ戻ってきた為、悪い事をしたなと気がかりだった。そのまま出窓に腰を下ろし眼下に広がる森を眺めると、森の樹々が妙に騒ついている。まさか……。
「っ…あいつ、また抜け出したのか…!?」
ラインアーサは弾かれた様に部屋を飛び出すと 逸散に横庭の森へと向かった。