《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「っ…うう…」
「その癖ちゃっかりしてるもんなぁ。まだ会ってんのか? お前って悪い男だぜ! ……なんてな」
ジュリアンがにやりと横目で鋭い視線をよこす。図星を指され口ごもるラインアーサ。決まりが悪くなり話題の矛先を変える。
「……ジュリこそまだ通ってるのか?」
「あん…? 話を逸らしたな? ふふん。俺は最近ちょっと気になる子がいるから花街通いは卒業したぜ!」
何故か得意げかつ、嬉しそうに話すジュリアンに溜息をついた。
「その台詞、今までに何度聞いたことか…」
「まあまあ。恋って楽しいだろ〜? 相手のことを考えるだけで幸せな気分になってこないか?」
「俺は…。苦しくなる。今も苦しい…」
昨晩の別れ際。スズランを泣かせてしまった事を思い出し胸が軋む様に痛んだ。
「呆れるくらい不器用なんだな。恋なんて駆け引きなんだから楽しまないと勿体無いぜ! そんなしみったれた顔するなよ!」
「不器用でも何でも、俺は…」
「好きなんだろ? スズランちゃんの事」
「……好き、なのかな。ただ……守りたいし悲しませたくない。それに嫌われたくないと思う。いや、嫌われても構わないから側に、居たい…。本当、もう格好つかないな」
「その癖ちゃっかりしてるもんなぁ。まだ会ってんのか? お前って悪い男だぜ! ……なんてな」
ジュリアンがにやりと横目で鋭い視線をよこす。図星を指され口ごもるラインアーサ。決まりが悪くなり話題の矛先を変える。
「……ジュリこそまだ通ってるのか?」
「あん…? 話を逸らしたな? ふふん。俺は最近ちょっと気になる子がいるから花街通いは卒業したぜ!」
何故か得意げかつ、嬉しそうに話すジュリアンに溜息をついた。
「その台詞、今までに何度聞いたことか…」
「まあまあ。恋って楽しいだろ〜? 相手のことを考えるだけで幸せな気分になってこないか?」
「俺は…。苦しくなる。今も苦しい…」
昨晩の別れ際。スズランを泣かせてしまった事を思い出し胸が軋む様に痛んだ。
「呆れるくらい不器用なんだな。恋なんて駆け引きなんだから楽しまないと勿体無いぜ! そんなしみったれた顔するなよ!」
「不器用でも何でも、俺は…」
「好きなんだろ? スズランちゃんの事」
「……好き、なのかな。ただ……守りたいし悲しませたくない。それに嫌われたくないと思う。いや、嫌われても構わないから側に、居たい…。本当、もう格好つかないな」