《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「っやめろって! スズ!! 頼むからっ…」
セィシェルの叫びも虚しく、スズランの身体が漆黒の裂け目へと吸い込まれてゆく……。
「───駄目だ。スズラン…」
「っ…!?」
ラインアーサは裂け目へと腕を伸ばし入れ、スズランの手首を掴み取った。そしてそのまま引き寄せ強く抱きしめる。
「お前は俺が守るって決めたんだ…!」
「……ラ、ライア…!?」
「遅くなってごめん。間に合って良かった」
だが身体の殆どが裂け目に飲み込まれつつあり、このままでは二人もろとも道づれになってしまう。ラインアーサは裂け目に背を向けるとスズランの両肩をセィシェル目掛け思い切り押しやった。
「セィシェル! 腕を伸ばせ!! 受け止めろ…!」
「っあ……ライア!?」
此処へ到着すると同時に、セィシェルを拘束していた輩二人に打撃を打ち込み失神させた。晴れて自由の身となったセィシェルにスズランを託す。
徐々に裂け目が小さく綴じられ、自身は既に脱出する事は出来そうにない。
スズランがセィシェルの腕の中へ無事に渡るのを見届ける。
「……お、おい! あんたは!?」
「っく……いいから、早くスズランを連れて酒場の中に、、!」
セィシェルの叫びも虚しく、スズランの身体が漆黒の裂け目へと吸い込まれてゆく……。
「───駄目だ。スズラン…」
「っ…!?」
ラインアーサは裂け目へと腕を伸ばし入れ、スズランの手首を掴み取った。そしてそのまま引き寄せ強く抱きしめる。
「お前は俺が守るって決めたんだ…!」
「……ラ、ライア…!?」
「遅くなってごめん。間に合って良かった」
だが身体の殆どが裂け目に飲み込まれつつあり、このままでは二人もろとも道づれになってしまう。ラインアーサは裂け目に背を向けるとスズランの両肩をセィシェル目掛け思い切り押しやった。
「セィシェル! 腕を伸ばせ!! 受け止めろ…!」
「っあ……ライア!?」
此処へ到着すると同時に、セィシェルを拘束していた輩二人に打撃を打ち込み失神させた。晴れて自由の身となったセィシェルにスズランを託す。
徐々に裂け目が小さく綴じられ、自身は既に脱出する事は出来そうにない。
スズランがセィシェルの腕の中へ無事に渡るのを見届ける。
「……お、おい! あんたは!?」
「っく……いいから、早くスズランを連れて酒場の中に、、!」