《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
ラインアーサは嬉しくなりハリに言葉を返した。
「おいハリ、お前父上の事どれだけお調子者だと思ってるんだよ! 確かに父上はかなり気易い面があるけどな」
そこまで言うとラインアーサも父の性格を思い出し、また笑い出した。
「アーサ殿下、そんなに笑われては陛下がお気の毒ですよ」
そう言いながらコルトは苦笑する。次いで、落ち着いた表情で一息付くと馬車の外へ視線を向けた。馬車は石畳みに揺られながら風樹の都を横断する。
緩い傾斜のある通り路は、王宮の門へ続く。
「すみません、コルトさん。陛下を悪く言うつもりでは…」
「ふふ。わかってますよ、ハリ殿。さあ、もう間も無く着く様ですね」
ハリは、長年ライオネルの側近を務めるコルトを身近な師表として慕っている。その為か、ハリの冷静な判断力と落ち着いた雰囲気はコルトとよく似ている。
しかし────。ラインアーサはこの後、先程のハリの主張が正しかった事を身を持って体感することになるのだった。
「おいハリ、お前父上の事どれだけお調子者だと思ってるんだよ! 確かに父上はかなり気易い面があるけどな」
そこまで言うとラインアーサも父の性格を思い出し、また笑い出した。
「アーサ殿下、そんなに笑われては陛下がお気の毒ですよ」
そう言いながらコルトは苦笑する。次いで、落ち着いた表情で一息付くと馬車の外へ視線を向けた。馬車は石畳みに揺られながら風樹の都を横断する。
緩い傾斜のある通り路は、王宮の門へ続く。
「すみません、コルトさん。陛下を悪く言うつもりでは…」
「ふふ。わかってますよ、ハリ殿。さあ、もう間も無く着く様ですね」
ハリは、長年ライオネルの側近を務めるコルトを身近な師表として慕っている。その為か、ハリの冷静な判断力と落ち着いた雰囲気はコルトとよく似ている。
しかし────。ラインアーサはこの後、先程のハリの主張が正しかった事を身を持って体感することになるのだった。