《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
ならば一刻も早くこの状況を脱するべきだ。
「とにかくこの縄をなんとかしないと……」
縄をかけられ手首が自由に使えない。そうなると煌像術を使うのも難しい。風を纏うにもこう密室では限りがある。
「っく……何だよこの縄…っ」
もがく程にキツくなる縄に苦戦していると、この部屋へ向かう足音が聞こえて来た。数名分の靴音だ。
乱暴に扉が開かれると、外から入ってきた僅かな光に目が眩みそうになる。眩しいが微かに人影を捉えるとフードを頭から被り長い杖を持った人物、その他にも三名ほど。頭数は四名確認出来る。少しでも情報を得ようと瞳を凝らすとフード姿の人物が大袈裟な程大きな溜め息を吐き、話を切り出す。
「……フン、ホント使えないヤツら! 処分を下すマデこの部屋で…」
「ま、待ってくれ! 次こそ失敗は無しだ!! とんだ邪魔が入ったんだっ! もう一度、もう一度やらせてくれれば必ずっ!!」
「ウルサイ喚くな。もうイイ…。初めからオマエたちに期待ナドしてナイ……」
「……なっ?! 俺たちは全部あんたの言う通り動いて来た筈だ!!」
「はぁ……。ホントウルサイ。役には立たないクセに口数ばかりは達者だナ!」
「っ…ぅぐっ!? …っ」
「とにかくこの縄をなんとかしないと……」
縄をかけられ手首が自由に使えない。そうなると煌像術を使うのも難しい。風を纏うにもこう密室では限りがある。
「っく……何だよこの縄…っ」
もがく程にキツくなる縄に苦戦していると、この部屋へ向かう足音が聞こえて来た。数名分の靴音だ。
乱暴に扉が開かれると、外から入ってきた僅かな光に目が眩みそうになる。眩しいが微かに人影を捉えるとフードを頭から被り長い杖を持った人物、その他にも三名ほど。頭数は四名確認出来る。少しでも情報を得ようと瞳を凝らすとフード姿の人物が大袈裟な程大きな溜め息を吐き、話を切り出す。
「……フン、ホント使えないヤツら! 処分を下すマデこの部屋で…」
「ま、待ってくれ! 次こそ失敗は無しだ!! とんだ邪魔が入ったんだっ! もう一度、もう一度やらせてくれれば必ずっ!!」
「ウルサイ喚くな。もうイイ…。初めからオマエたちに期待ナドしてナイ……」
「……なっ?! 俺たちは全部あんたの言う通り動いて来た筈だ!!」
「はぁ……。ホントウルサイ。役には立たないクセに口数ばかりは達者だナ!」
「っ…ぅぐっ!? …っ」