《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「俺は何もされてない…! それよりも先にこの縄の拘束を解いてくれるか?」
急いで訴えるとハリはあからさまに溜息を吐く。
「……全く、貴方と言う人は…。ご自分の状況を理解出来てます? 貴方は人質として拘束されているんですよ?」
「分かってるよ。……でもメルテにだって何か理由がある筈なんだ。でなきゃこんな事、出来る様な奴じゃあない…!」
「そうでしょうか。今現に貴方は差し迫った状況になっていますし、この誘拐事件騒動も十中八九メルティオール殿がなさった事なのでしょう?」
「そうかもしれないけど、俺はメルテにだって嫌な思いをして欲しくない……。何か理由があるなら話して欲しいと思っている!」
「ク…ッ……ハハハッ!! 相変ワラず相当オメデタイな、コノ国の王子は。全くヤッテられナイ…」
「っ…!?」
メルティオールが呆れ返る様に笑い出しラインアーサは困惑する。ハリに至っては頭痛時と同様に指で顳顬を押さえ俯いている。
「はあ…。本当に全くやっていられませんね」
「ダカラ嫌ナンだ…! ボクは昔からオマエがニガテだ。どんなに当り散ラシてもオマエは大抵風の様にすり抜ける。一人で怒ッテいたコチラがバカらしくナッテクル……」
急いで訴えるとハリはあからさまに溜息を吐く。
「……全く、貴方と言う人は…。ご自分の状況を理解出来てます? 貴方は人質として拘束されているんですよ?」
「分かってるよ。……でもメルテにだって何か理由がある筈なんだ。でなきゃこんな事、出来る様な奴じゃあない…!」
「そうでしょうか。今現に貴方は差し迫った状況になっていますし、この誘拐事件騒動も十中八九メルティオール殿がなさった事なのでしょう?」
「そうかもしれないけど、俺はメルテにだって嫌な思いをして欲しくない……。何か理由があるなら話して欲しいと思っている!」
「ク…ッ……ハハハッ!! 相変ワラず相当オメデタイな、コノ国の王子は。全くヤッテられナイ…」
「っ…!?」
メルティオールが呆れ返る様に笑い出しラインアーサは困惑する。ハリに至っては頭痛時と同様に指で顳顬を押さえ俯いている。
「はあ…。本当に全くやっていられませんね」
「ダカラ嫌ナンだ…! ボクは昔からオマエがニガテだ。どんなに当り散ラシてもオマエは大抵風の様にすり抜ける。一人で怒ッテいたコチラがバカらしくナッテクル……」