《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「殿下。ではそろそろ……」
ジェルマーノがメルティオールの耳元で何かを囁いた。
「ああ、頼む。フッ…。オマエの側近に心カラ同情スル。オメデタイ主の元に付くのは容易ではナイ。全くもってバカバカしいカラやめてヤル」
「やめる…? 何を…」
「帰る。今回は大人シク退いてヤルと言ってイル…」
「っ! じゃあ…」
「スズランと言う娘のコトを諦めたワケではナイ。今回は一度退くダケだ! ……それに、コレ以上ミリアに心配カケたくナイカラな…」
メルティオールの声は最後の方になるにつれ早口で聞き取りづらくなったが、確かにラインアーサの耳に届いた。
「っ…メルテ! ありがとう!!」
「フンッ……知るモノか!」
ジェルマーノが素早く床に陣を敷く。術封じが解かれたのか、おそらく空間移動の魔像術であろうその複雑な陣を見入る。
「殿下、急いで皇宮へ戻りましょう…」
「ワカってイル、そう急かすなジェル。ああ、ソコの小物二人組の処分は任せる。コチラは唯のコマを利用シタに過ぎナイ…」
「…っオイ、ふざけるな!! 俺たちの事馬鹿にするなよ!!」
話題に出され我に返ったのか、例の二人組が暴れ出した。
ジェルマーノがメルティオールの耳元で何かを囁いた。
「ああ、頼む。フッ…。オマエの側近に心カラ同情スル。オメデタイ主の元に付くのは容易ではナイ。全くもってバカバカしいカラやめてヤル」
「やめる…? 何を…」
「帰る。今回は大人シク退いてヤルと言ってイル…」
「っ! じゃあ…」
「スズランと言う娘のコトを諦めたワケではナイ。今回は一度退くダケだ! ……それに、コレ以上ミリアに心配カケたくナイカラな…」
メルティオールの声は最後の方になるにつれ早口で聞き取りづらくなったが、確かにラインアーサの耳に届いた。
「っ…メルテ! ありがとう!!」
「フンッ……知るモノか!」
ジェルマーノが素早く床に陣を敷く。術封じが解かれたのか、おそらく空間移動の魔像術であろうその複雑な陣を見入る。
「殿下、急いで皇宮へ戻りましょう…」
「ワカってイル、そう急かすなジェル。ああ、ソコの小物二人組の処分は任せる。コチラは唯のコマを利用シタに過ぎナイ…」
「…っオイ、ふざけるな!! 俺たちの事馬鹿にするなよ!!」
話題に出され我に返ったのか、例の二人組が暴れ出した。