《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「……」
「あの感じ、恐らく俺がここに飛ばされて来たのはあいつのだ…。ハリ、お前がここに来た時のも同様の……魔像術、なのか…?」
「……分かりません」
「分からないって、お前。俺は凄い驚いたんだぞ?」
唐突に空間を破り出てきたハリの事を思い出しながらラインアーサは声を上げた。
「……ですがこの辺りの空間が乱れてるのは分かります」
「空間の乱れ?」
「ええ。私を含め、メルティオール殿や先ほどの男が何かしら移動の術を使った為でしょう。とても歪んでいます。危険なので早く此処から離れましょう」
ハリは薄暗い部屋を見渡すと人質の民の数を確認し始める。
「あの、さ。ハリ…。ここから離れるのは良いんだけどひとつ頼みが…。俺の腕の拘束外して貰えないか?」
「はあ。それ本気で言ってるんです? 冗談ではなく…?」
ばつが悪いが正直に頷くと、ハリは溜息を吐きつつも漸く拘束の縄を切り落とし腕から外してくれた。
「ああ、やっっと自由が利く! ありがとなハリ」
「いざという時の為にも縄抜け位は覚えて置いてくださいよ、全く…」
「いや、縄抜けは得意なはずなんだけど…。どうにも外せなかったんだよこの縄!」
「成程?」
「あの感じ、恐らく俺がここに飛ばされて来たのはあいつのだ…。ハリ、お前がここに来た時のも同様の……魔像術、なのか…?」
「……分かりません」
「分からないって、お前。俺は凄い驚いたんだぞ?」
唐突に空間を破り出てきたハリの事を思い出しながらラインアーサは声を上げた。
「……ですがこの辺りの空間が乱れてるのは分かります」
「空間の乱れ?」
「ええ。私を含め、メルティオール殿や先ほどの男が何かしら移動の術を使った為でしょう。とても歪んでいます。危険なので早く此処から離れましょう」
ハリは薄暗い部屋を見渡すと人質の民の数を確認し始める。
「あの、さ。ハリ…。ここから離れるのは良いんだけどひとつ頼みが…。俺の腕の拘束外して貰えないか?」
「はあ。それ本気で言ってるんです? 冗談ではなく…?」
ばつが悪いが正直に頷くと、ハリは溜息を吐きつつも漸く拘束の縄を切り落とし腕から外してくれた。
「ああ、やっっと自由が利く! ありがとなハリ」
「いざという時の為にも縄抜け位は覚えて置いてくださいよ、全く…」
「いや、縄抜けは得意なはずなんだけど…。どうにも外せなかったんだよこの縄!」
「成程?」