《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
突拍子のないラインアーサの提案にジュリアンもハリも、件の二人組さえ驚きを隠せないでいる。
「この二人は元々旧市街の荒くれ者だ…。しかし、それを返せば旧市街の情勢に詳く色々熟知している。それに然るべき処罰を下してただ罰を与えてもますます反感を強くされてしまうだけだ。ならば目の届く所の真っ当な環境で働いてもらった方が良いだろう?」
「しかし…」
「だからって俺の所かよ…」
「こんな事頼めるのはジュリだけだ。お願い出来ないだろうか……」
ラインアーサは真っ直ぐとジュリアンの目を見やる。
「…ったく、仕方がないな! 俺がアーサにその目をされると断れないっての知ってる癖に質が悪いぜ!!」
「……ジュリアン殿まで、本当に良いのですか?」
「主の命令だ、引き受けて絶対守るのが俺の主義だからな!」
「ありがとう、感謝するよ! ジュリ!!」
「全く。……私は理解に苦しみますが、お二人が良いのなら徹底的にお願いします。陛下への報告もお忘れなく」
「当たり前だろ! 任せておけって!」
一部始終やり取りを見ていた二人組が呆気に取られている中、ラインアーサは改めて二人に向き直ると柱に括られていた縄を外し拘束を解いた。
「この二人は元々旧市街の荒くれ者だ…。しかし、それを返せば旧市街の情勢に詳く色々熟知している。それに然るべき処罰を下してただ罰を与えてもますます反感を強くされてしまうだけだ。ならば目の届く所の真っ当な環境で働いてもらった方が良いだろう?」
「しかし…」
「だからって俺の所かよ…」
「こんな事頼めるのはジュリだけだ。お願い出来ないだろうか……」
ラインアーサは真っ直ぐとジュリアンの目を見やる。
「…ったく、仕方がないな! 俺がアーサにその目をされると断れないっての知ってる癖に質が悪いぜ!!」
「……ジュリアン殿まで、本当に良いのですか?」
「主の命令だ、引き受けて絶対守るのが俺の主義だからな!」
「ありがとう、感謝するよ! ジュリ!!」
「全く。……私は理解に苦しみますが、お二人が良いのなら徹底的にお願いします。陛下への報告もお忘れなく」
「当たり前だろ! 任せておけって!」
一部始終やり取りを見ていた二人組が呆気に取られている中、ラインアーサは改めて二人に向き直ると柱に括られていた縄を外し拘束を解いた。