《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「く…っはは! お前が言っても全然説得力無いなジュリ! まあ、俺の事は好きに呼べばいいよ」
ラインアーサはくだけた態度で二人に笑いかけるも、そこでくらりと眩暈の様な物に襲われふらついた。
「っ…! なん、だ?」
「大丈夫です? 色々と無理をされた筈、先に王宮に戻って休んだ方が良いのでは?」
「いや、平気だ。それよりも…、俺は…」
「……分かってます。後の事は私たちに任せて行ったらどうです?」
「? ……何処に?」
「決まってるだろアーサ! スズランちゃん、お前の事心配してずっと待ってるんだぞ? こいつらの報告は俺から陛下に報告するし、人質にされていた民たちの搬送も任せろ! だから…」
「ハリも、ジュリもありがとう! ……でも毎回お前たちに任せてばかりなのは申し訳ない。俺にも手伝わせてくれ」
一刻も早くスズランに会いたいのは山々だが、自身の我儘で二人に負担をかけたくなかった。しかし……。
「何言ってんだ! 今のお前の仕事はいち早くスズランちゃんの所に行って安心させてやる事だろ!! でないと…」
「彼女。……ひどく落ち込んだ様子でした。見ている此方が辛くなる程に」
「っ…そうなのか?」
ラインアーサはくだけた態度で二人に笑いかけるも、そこでくらりと眩暈の様な物に襲われふらついた。
「っ…! なん、だ?」
「大丈夫です? 色々と無理をされた筈、先に王宮に戻って休んだ方が良いのでは?」
「いや、平気だ。それよりも…、俺は…」
「……分かってます。後の事は私たちに任せて行ったらどうです?」
「? ……何処に?」
「決まってるだろアーサ! スズランちゃん、お前の事心配してずっと待ってるんだぞ? こいつらの報告は俺から陛下に報告するし、人質にされていた民たちの搬送も任せろ! だから…」
「ハリも、ジュリもありがとう! ……でも毎回お前たちに任せてばかりなのは申し訳ない。俺にも手伝わせてくれ」
一刻も早くスズランに会いたいのは山々だが、自身の我儘で二人に負担をかけたくなかった。しかし……。
「何言ってんだ! 今のお前の仕事はいち早くスズランちゃんの所に行って安心させてやる事だろ!! でないと…」
「彼女。……ひどく落ち込んだ様子でした。見ている此方が辛くなる程に」
「っ…そうなのか?」