《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ああ、だから早く行けよアーサ」
二人が口を揃えそこまで言うとなると、スズランが落ち込んでいると言うのは相当なものなのだろう。
「わかった…。直ぐに向かう! 報告とその結果は改めて確認する。一先ずジュリに任せるからな!」
「了解!」
「ハリ、お前の魔像術についても後から説明してもらう。ちゃんと教えてくれ」
「……分かりました」
「ジェロームにエヴラール! まだ正式ではないがお前たちはもう隊の一員だ、頼むぞ」
「は、はい…!」
「へい! 頑張りやス!!」
「皆、ありがとう」
全員に頭を下げると、勢いよく踵を返し建物の外に出た。太陽がだいぶ高い位置にある。ここに飛ばされてから丸一日以上過ぎている事がわかった。
久々の外気に触れると、柔らかく肌に纏わり付く風に小さく礼の言葉を呟くラインアーサ。
「何時も風の息吹の加護、感謝するよ……」
それに応える様辺りに一陣の風が吹き抜ける。風を喚んだ事により雲が吹き飛んだのか、あのしつこいまでに降り続いていた雨はすっかり止み、どこまでも青い空が高く澄み渡っていた。
「今、俺がやるべき事…。それを果たそう」
ラインアーサは改めて強く決心し、スズランの元へと駈けた。
二人が口を揃えそこまで言うとなると、スズランが落ち込んでいると言うのは相当なものなのだろう。
「わかった…。直ぐに向かう! 報告とその結果は改めて確認する。一先ずジュリに任せるからな!」
「了解!」
「ハリ、お前の魔像術についても後から説明してもらう。ちゃんと教えてくれ」
「……分かりました」
「ジェロームにエヴラール! まだ正式ではないがお前たちはもう隊の一員だ、頼むぞ」
「は、はい…!」
「へい! 頑張りやス!!」
「皆、ありがとう」
全員に頭を下げると、勢いよく踵を返し建物の外に出た。太陽がだいぶ高い位置にある。ここに飛ばされてから丸一日以上過ぎている事がわかった。
久々の外気に触れると、柔らかく肌に纏わり付く風に小さく礼の言葉を呟くラインアーサ。
「何時も風の息吹の加護、感謝するよ……」
それに応える様辺りに一陣の風が吹き抜ける。風を喚んだ事により雲が吹き飛んだのか、あのしつこいまでに降り続いていた雨はすっかり止み、どこまでも青い空が高く澄み渡っていた。
「今、俺がやるべき事…。それを果たそう」
ラインアーサは改めて強く決心し、スズランの元へと駈けた。