《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
対するラインアーサは思わず眉根を寄せた。
「父上……それ、本気?」
「そうですよ陛下! お言葉ですが収穫祭迄、一年の半分を切ります。急な祝祭は難しいかと……」
コルトが最もらしい理由を付けて祝祭の提案を振り切ろうとするが、ライオネルはそれを遮る。
「なんだいアーサ、私は何時だって本気だよ? それに、収穫祭程大きくなくて良い。私と子供たち二人を乗せた馬車で都の中心街を行進、なんてどうかな?」
その場にいる者全員の表情が一斉にに引きつった。ライオネルを除いて。
────結局初日だけというのを条件に、馬車での行進は決行する事になった。それでも祝祭は五日間も行われる事となりその間、国民たちは王子と王女の一斉帰還を喜んだ。風樹の都の中心街では行進に合わせて飲食店の路上出店や屋台、楽器演奏に踊りなどでかなりの賑わいを見せた。
シュサイラスア大国の気候は常秋。
一日の気温差が激しく、日中の賑わいは気温の下がる日没後には収まり、人々は暖を求めて飲食店や酒場へと流れてゆく。
「父上……それ、本気?」
「そうですよ陛下! お言葉ですが収穫祭迄、一年の半分を切ります。急な祝祭は難しいかと……」
コルトが最もらしい理由を付けて祝祭の提案を振り切ろうとするが、ライオネルはそれを遮る。
「なんだいアーサ、私は何時だって本気だよ? それに、収穫祭程大きくなくて良い。私と子供たち二人を乗せた馬車で都の中心街を行進、なんてどうかな?」
その場にいる者全員の表情が一斉にに引きつった。ライオネルを除いて。
────結局初日だけというのを条件に、馬車での行進は決行する事になった。それでも祝祭は五日間も行われる事となりその間、国民たちは王子と王女の一斉帰還を喜んだ。風樹の都の中心街では行進に合わせて飲食店の路上出店や屋台、楽器演奏に踊りなどでかなりの賑わいを見せた。
シュサイラスア大国の気候は常秋。
一日の気温差が激しく、日中の賑わいは気温の下がる日没後には収まり、人々は暖を求めて飲食店や酒場へと流れてゆく。