《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「…っ…。ごめん、心配掛けて。……でもちょっと嬉しいかも…」
「え?」
大粒の涙が頬を伝い零れ落ちる。不謹慎かも知れないが、スズランがそれ程心配してくれていたかと思うと素直に嬉しい。
「もう……泣くなって…」
愛しさが込み上げ、今一度抱きしめるとスズランは腕の中で小さく主張した。
「っわたし……何でもいいからライアの役に、立ちたいの…。何かあなたの、力になりたくて…っ」
「っああ、もう。なんで今そんな事言うの? 馬鹿はスズランの方じゃあないか…」
「どうして?」
「スズランはもうずっと、俺の力になってるのに…」
「ずっと…って…?」
「……覚えて無いかもしれないけど、俺はもうずっと前からスズランの笑顔に力を貰ってらるんだ。……だからスズランには笑ってて欲しい」
瞳を合わせると頬を朱に染めながらも真っ直ぐラインアーサの瞳を覗き込んでくる。
「ずっと前って、いつ? このあいだ、酒場に来てくれた時?」
「違うよ。もっと、ずっと昔から……ああ、もう。まだ泣いてる。泣かないでほら…。涙の止まる、おまじない…」
「……ン…!」
スズランの瞼にそっと唇を重ね、優しく触れてはゆっくりと離す。
「え?」
大粒の涙が頬を伝い零れ落ちる。不謹慎かも知れないが、スズランがそれ程心配してくれていたかと思うと素直に嬉しい。
「もう……泣くなって…」
愛しさが込み上げ、今一度抱きしめるとスズランは腕の中で小さく主張した。
「っわたし……何でもいいからライアの役に、立ちたいの…。何かあなたの、力になりたくて…っ」
「っああ、もう。なんで今そんな事言うの? 馬鹿はスズランの方じゃあないか…」
「どうして?」
「スズランはもうずっと、俺の力になってるのに…」
「ずっと…って…?」
「……覚えて無いかもしれないけど、俺はもうずっと前からスズランの笑顔に力を貰ってらるんだ。……だからスズランには笑ってて欲しい」
瞳を合わせると頬を朱に染めながらも真っ直ぐラインアーサの瞳を覗き込んでくる。
「ずっと前って、いつ? このあいだ、酒場に来てくれた時?」
「違うよ。もっと、ずっと昔から……ああ、もう。まだ泣いてる。泣かないでほら…。涙の止まる、おまじない…」
「……ン…!」
スズランの瞼にそっと唇を重ね、優しく触れてはゆっくりと離す。