《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「っ…スズラン。……お願いだ。このままで聞いて欲しい事がある…。いい?」
「……うん」
色々な感情を飲み込み、覚悟を決める。
「───俺。今までスズランに色んな事黙って隠してたんだ。本当に悪かった。許してもらえるとは思ってない。でも、悪気があった訳じゃあないんだ…。これだけは信じて欲しい」
「ま、まって。……なんでライアが謝るの? 謝らないといけないのはわたしの方なのに。わたしが勝手にいろいろ勘違いして…。ライアはその、この国の…、えらい人で、本当はわたしなんかと…っ」
声を震わせ言葉を詰まらせるスズラン。
「俺は偉くなんかないよ…! スズラン。俺の真の名は、ラインアーサだ」
「ライン アーサ…?」
「そう。ラインアーサ・S・ローゼン」
名乗るだけでこんなに緊張するのは初めてだった。
「…っ…やっぱり。それって、この国の王子様の名前…。ライアは、アーサ王子で、本当はわたしなんかがこんなふうに気軽に接しちゃ、だめなんだよね…?」
スズランの声に緊張が伝わり、態度が硬くなって行くのがわかる。ラインアーサは必死に声を上げた。
「っ…駄目じゃあない!!」
「ほんとう…? だって、あなたは」
「……うん」
色々な感情を飲み込み、覚悟を決める。
「───俺。今までスズランに色んな事黙って隠してたんだ。本当に悪かった。許してもらえるとは思ってない。でも、悪気があった訳じゃあないんだ…。これだけは信じて欲しい」
「ま、まって。……なんでライアが謝るの? 謝らないといけないのはわたしの方なのに。わたしが勝手にいろいろ勘違いして…。ライアはその、この国の…、えらい人で、本当はわたしなんかと…っ」
声を震わせ言葉を詰まらせるスズラン。
「俺は偉くなんかないよ…! スズラン。俺の真の名は、ラインアーサだ」
「ライン アーサ…?」
「そう。ラインアーサ・S・ローゼン」
名乗るだけでこんなに緊張するのは初めてだった。
「…っ…やっぱり。それって、この国の王子様の名前…。ライアは、アーサ王子で、本当はわたしなんかがこんなふうに気軽に接しちゃ、だめなんだよね…?」
スズランの声に緊張が伝わり、態度が硬くなって行くのがわかる。ラインアーサは必死に声を上げた。
「っ…駄目じゃあない!!」
「ほんとう…? だって、あなたは」