《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
スズランの実直な告白を受け、身体中の熱が一気に顔に集中し赤面する。そればかりか、一番伝えたかった事を先に言われてしまい狼狽する。更に追い討ちの如く上目遣いで見つめられてはもうお手上げだ。
「やっぱり……だめ、なの?」
「だ、駄目な訳ない…!! けど、俺だって……ああ! もう、かっこ悪いな俺! 待って、ちゃんと俺からも言わせてくれ……」
「……よかった…、だめじゃなくって嬉しい…」
スズランは肩に凭れかかると、ラインアーサの胸元をぎゅっと握った。その仕草さえも愛しくてたまらない。無意識に薄い千草色の髪を優しく撫でていた。あれ程までに不安だった心が安らいでゆく。
滑らかで美しい髪を撫でながらラインアーサは心を決めた。
「……ありがとう、俺もすごく嬉しい。……身分とか立場なんていいんだ。そんなの関係ない位、好きなんだ…。俺の大事なスズラン。どうかこれから先もずっと俺に、スズランを守らせてほしい……」
言ったそばから緊張で口の中が乾く。今にも口から心臓が飛び出しそうな程だ。
しかし暫くしてもスズランからの反応がない。
「……嫌、なのか? ……スズラン…?」
「……」
肩に乗せられた小さな頭が僅かに重い。
「やっぱり……だめ、なの?」
「だ、駄目な訳ない…!! けど、俺だって……ああ! もう、かっこ悪いな俺! 待って、ちゃんと俺からも言わせてくれ……」
「……よかった…、だめじゃなくって嬉しい…」
スズランは肩に凭れかかると、ラインアーサの胸元をぎゅっと握った。その仕草さえも愛しくてたまらない。無意識に薄い千草色の髪を優しく撫でていた。あれ程までに不安だった心が安らいでゆく。
滑らかで美しい髪を撫でながらラインアーサは心を決めた。
「……ありがとう、俺もすごく嬉しい。……身分とか立場なんていいんだ。そんなの関係ない位、好きなんだ…。俺の大事なスズラン。どうかこれから先もずっと俺に、スズランを守らせてほしい……」
言ったそばから緊張で口の中が乾く。今にも口から心臓が飛び出しそうな程だ。
しかし暫くしてもスズランからの反応がない。
「……嫌、なのか? ……スズラン…?」
「……」
肩に乗せられた小さな頭が僅かに重い。