《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「……そうなら本当に良いんだけどな…」
「俺は大迷惑だけど! あんたが店に通って来る前までスズはいつももっとたくさん笑ってた! でも今回の事件…。あんたがいなけりゃスズは。……だから、助けてくれて……その、、ありがとな…」
セィシェルは照れているのか最後の方は小声で言いくるめ、早足で下の部屋へ続く階段を駆け下りてゆく。よもやセィシェルから感謝の言葉が飛び出すとは思ってもいなかったがラインアーサの心は仄かに軽くなった。
「───親父!! スズの事はとりあえず心配ないぜ! 俺、今からでも仕込みの準備するから、詳しい話はこいつから聞いてくれ」
「っ…アーサ様!? おお!! ご無事に戻られたのですね! ……これ! セィシェル!! お前またアーサ様にそんな口の利き方を…」
「気にしないでくれマスター! 俺もその方がいいんだ。それよりも皆や店に迷惑を掛けてしまって本当に申し訳なかった…。もし何か不便な事があれば何でも言ってくれ。出来る限り手助けさせてもらうよ」
「いや、貴方様にそんな事…! それにスズを助けて頂いて、お礼をしなければならないのは此方の方です…」
ユージーンが深く頭を下げる。
「俺は大迷惑だけど! あんたが店に通って来る前までスズはいつももっとたくさん笑ってた! でも今回の事件…。あんたがいなけりゃスズは。……だから、助けてくれて……その、、ありがとな…」
セィシェルは照れているのか最後の方は小声で言いくるめ、早足で下の部屋へ続く階段を駆け下りてゆく。よもやセィシェルから感謝の言葉が飛び出すとは思ってもいなかったがラインアーサの心は仄かに軽くなった。
「───親父!! スズの事はとりあえず心配ないぜ! 俺、今からでも仕込みの準備するから、詳しい話はこいつから聞いてくれ」
「っ…アーサ様!? おお!! ご無事に戻られたのですね! ……これ! セィシェル!! お前またアーサ様にそんな口の利き方を…」
「気にしないでくれマスター! 俺もその方がいいんだ。それよりも皆や店に迷惑を掛けてしまって本当に申し訳なかった…。もし何か不便な事があれば何でも言ってくれ。出来る限り手助けさせてもらうよ」
「いや、貴方様にそんな事…! それにスズを助けて頂いて、お礼をしなければならないのは此方の方です…」
ユージーンが深く頭を下げる。