《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
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「……なんだよハリ。わかったって、お前の言い分は正しかったよ。そんな目で見るなって」
「だいぶ疲れたみたいですね、ライア」
「当たり前だろ? 昨夜は大して眠れなかった上、朝方にはあの大きな祝砲の音で叩き起こされて……今やっっと行進が終わった所なんだ」
ラインアーサは大きな欠伸をすると、日中ずっと馬車に座り通しで硬くなった身体を伸ばした。
「朝弱いのに、良く起きれましたね」
朝弱い事自体は否定はしないが、果たしてあの祝砲の音で起きない者が居るだろうかとラインアーサは思った。
「うう、ずっと笑顔でいたせいで顔が痛い」
行進の間ずっとよそ行きの笑顔を浮かべていた為、表情筋も硬直している。
「ですが街娘たちはその笑顔にすっかり騙されてましたよ」
「騙すだなんて人聞きの悪い! なんだよさっきから。ハリも疲れてるのか?」
「……まあ、陛下の賑やか事好きに改めて驚いているだけですよ。ところで陛下とイリアーナ様はどちらに?」
「ああ。大事な話しをするって、二人で先に王宮へ戻ったよ」
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「……なんだよハリ。わかったって、お前の言い分は正しかったよ。そんな目で見るなって」
「だいぶ疲れたみたいですね、ライア」
「当たり前だろ? 昨夜は大して眠れなかった上、朝方にはあの大きな祝砲の音で叩き起こされて……今やっっと行進が終わった所なんだ」
ラインアーサは大きな欠伸をすると、日中ずっと馬車に座り通しで硬くなった身体を伸ばした。
「朝弱いのに、良く起きれましたね」
朝弱い事自体は否定はしないが、果たしてあの祝砲の音で起きない者が居るだろうかとラインアーサは思った。
「うう、ずっと笑顔でいたせいで顔が痛い」
行進の間ずっとよそ行きの笑顔を浮かべていた為、表情筋も硬直している。
「ですが街娘たちはその笑顔にすっかり騙されてましたよ」
「騙すだなんて人聞きの悪い! なんだよさっきから。ハリも疲れてるのか?」
「……まあ、陛下の賑やか事好きに改めて驚いているだけですよ。ところで陛下とイリアーナ様はどちらに?」
「ああ。大事な話しをするって、二人で先に王宮へ戻ったよ」