《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「マスター…! 本当に頭を上げてくれ。それに今回の事件の事なんだけど、事件自体は無事解決に向けて収拾しつつある。でも本質的な事は何も解決していない。むしろ状況は良くない方に進んでいる。その事についてマスターに聞きたい事と、話しておかなければならない事があるんだ…」
何を言ってもなかなか頭を上げないユージーンだったが、察しが付いたのかはっとした様に顔をあげ、ラインアーサの顔色を伺う。
「……やはり、スズの事でしょうか?」
彼もまた、一睡もしていないのであろう。いつもより顔に疲れが出ていた。それでも確かめなければならない。
「マスター……率直に聞く。スズランは何者なんだ? 一体何処から来た?」
「……それは、貴方様にもお教え出来かねます…。と言いたい所なのですが、そうも言って居られない状況…、なのですね…?」
「ああ。無理にとは言わない。スズランの事でマスターが知ってる事があればどうか教えて欲しい」
神妙な面持ちのユージーンとラインアーサの顔を交互に確認するとセィシェルが口を出した。
「親父。スズって確かフリュイって国から来たって昔言ってたろ。それが何か関係あるのか?」
何を言ってもなかなか頭を上げないユージーンだったが、察しが付いたのかはっとした様に顔をあげ、ラインアーサの顔色を伺う。
「……やはり、スズの事でしょうか?」
彼もまた、一睡もしていないのであろう。いつもより顔に疲れが出ていた。それでも確かめなければならない。
「マスター……率直に聞く。スズランは何者なんだ? 一体何処から来た?」
「……それは、貴方様にもお教え出来かねます…。と言いたい所なのですが、そうも言って居られない状況…、なのですね…?」
「ああ。無理にとは言わない。スズランの事でマスターが知ってる事があればどうか教えて欲しい」
神妙な面持ちのユージーンとラインアーサの顔を交互に確認するとセィシェルが口を出した。
「親父。スズって確かフリュイって国から来たって昔言ってたろ。それが何か関係あるのか?」