《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「そう、今度はもっと酷い。力を暴走させたんだ。お前は友人とその妹を救う為に力を暴発させて王宮中の者の負の感情を一度に吸収して今度こそ死にかけた」
「それって……いや、それも覚えて無い…」
「相当無理をしたんだよ…? その部分の記憶をなくす位ね。私は猛烈に反省した。お前を急いで煌都 パルフェに連れて行って司祭様にその刺青を施してもらったんだ。それでも完全に力を抑制する事はできない、ほんのお守り程度の物だって言われたよ…」
「だからなのか? 父上を含め母様も姉上も王宮の皆がどうも俺に過保護だったのは…」
「当たり前だよ。そうでなくてもお前はすぐに無茶ばかりするから…。ジュストベルの授業にあまり興味が無い事も逆に安心していたんだ。煌像術に詳しくなれば古代術にも触れるだろうからね。また力を使って無理をしない様にお前から煌像術に関する物を遠ざけたし、今の今までこの事を必死になって隠して来た。……情けない父親ですまない。こんな私の事を軽蔑するかい?」
ラインアーサは激しくかぶりを振るとライオネルの瞳をまっすぐに見た。
「……ありがとう父上。俺をここまで育ててくれて…、本当にありがとう。俺、今はこれ以上の感謝の言葉が見つからない…!」
「それって……いや、それも覚えて無い…」
「相当無理をしたんだよ…? その部分の記憶をなくす位ね。私は猛烈に反省した。お前を急いで煌都 パルフェに連れて行って司祭様にその刺青を施してもらったんだ。それでも完全に力を抑制する事はできない、ほんのお守り程度の物だって言われたよ…」
「だからなのか? 父上を含め母様も姉上も王宮の皆がどうも俺に過保護だったのは…」
「当たり前だよ。そうでなくてもお前はすぐに無茶ばかりするから…。ジュストベルの授業にあまり興味が無い事も逆に安心していたんだ。煌像術に詳しくなれば古代術にも触れるだろうからね。また力を使って無理をしない様にお前から煌像術に関する物を遠ざけたし、今の今までこの事を必死になって隠して来た。……情けない父親ですまない。こんな私の事を軽蔑するかい?」
ラインアーサは激しくかぶりを振るとライオネルの瞳をまっすぐに見た。
「……ありがとう父上。俺をここまで育ててくれて…、本当にありがとう。俺、今はこれ以上の感謝の言葉が見つからない…!」