《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「父上…? 俺はずっと俺だし、変わらないよ…」
「……分かっているよ、アーサ。しかし煌像術を使いすぎるのは良くない。また力が暴発でもしたらと思うと私は…」
「大丈夫。古代術にも興味はあるけど、そういった事情があるなら無理に習得しようとは思わない」
「ならば良かった。その腕の刺青も月日が経ち、効果が薄れてきている可能性もあるから尚更気をつける様に」
「まったく、父上は本当に心配性だな。でもありがとう。気をつける…」
とは言ったものの、ラインアーサの左二の腕にある〝例の刺青〟はライオネルから話を聞いている間、じわじわと締め付ける様に疼いていた。その痛みを何とか耐えてやり過ごす。
「うん? どうかしたかい? アーサ」
「っ…何でもないよ。今日は俺も疲れたし残ってる執務は明日に回してもう休むよ」
「ああ、そうだな。ゆっくり休むのだぞ?」
「父上こそ…」
心配かけまいと笑顔でライオネルの部屋から出た直後、ラインアーサは二の腕を貫く様な鋭い痛みに小さくうめき声をあげた。
「ぁ…っつぅ…!! どうしたっていうんだまた急に…っ」
足早に自室に戻り、浴室に駆け込むと耐えきれず服を着たまま頭から冷たい水を浴びる。
「……分かっているよ、アーサ。しかし煌像術を使いすぎるのは良くない。また力が暴発でもしたらと思うと私は…」
「大丈夫。古代術にも興味はあるけど、そういった事情があるなら無理に習得しようとは思わない」
「ならば良かった。その腕の刺青も月日が経ち、効果が薄れてきている可能性もあるから尚更気をつける様に」
「まったく、父上は本当に心配性だな。でもありがとう。気をつける…」
とは言ったものの、ラインアーサの左二の腕にある〝例の刺青〟はライオネルから話を聞いている間、じわじわと締め付ける様に疼いていた。その痛みを何とか耐えてやり過ごす。
「うん? どうかしたかい? アーサ」
「っ…何でもないよ。今日は俺も疲れたし残ってる執務は明日に回してもう休むよ」
「ああ、そうだな。ゆっくり休むのだぞ?」
「父上こそ…」
心配かけまいと笑顔でライオネルの部屋から出た直後、ラインアーサは二の腕を貫く様な鋭い痛みに小さくうめき声をあげた。
「ぁ…っつぅ…!! どうしたっていうんだまた急に…っ」
足早に自室に戻り、浴室に駆け込むと耐えきれず服を着たまま頭から冷たい水を浴びる。