《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
そのままの状態で瞳を強く閉じた。
まるで大きな力が身体の外に出たがっている様な感覚だ。
「……駄目だ! 治まってくれ…!!」
半分祈る様に必死に自身に言いきかせる。
「…っ治まれ……頼むから」
ラインアーサはその場にうずくまる様に屈み込みじっと動かずにいた。
どのくらいの間そうしていただろうか。やっと立ち上がりその場で身にまとっていた服を全て脱ぎ捨てると、ふらつく足取りで寝室へと向かいベッドへと身を投じた。
「……寒い」
ずっと水を浴びていたせいか身体は冷えきり、震えが止まらなかった。暫くしてやっと何時もの感覚が戻り安堵する。腫れ物を触る様にそっと刺青に触れてみるも、今は何事もなかったかの様に其処に収まっていた。
「……力の開放…。それとも封印か…」
ぼんやりとそんな事を考えたが、何時も身の周りで支えてくれる大切な人達の心配そうな顔を思い出す。
「……決まってる。皆の心配の種を増やしたくない。それに…、今まで父上が必死に護ってくれた身体だ、大事にしないと」
そう口に出すとやはり二の腕の刺青はチクリと痛むのだった。
まるで大きな力が身体の外に出たがっている様な感覚だ。
「……駄目だ! 治まってくれ…!!」
半分祈る様に必死に自身に言いきかせる。
「…っ治まれ……頼むから」
ラインアーサはその場にうずくまる様に屈み込みじっと動かずにいた。
どのくらいの間そうしていただろうか。やっと立ち上がりその場で身にまとっていた服を全て脱ぎ捨てると、ふらつく足取りで寝室へと向かいベッドへと身を投じた。
「……寒い」
ずっと水を浴びていたせいか身体は冷えきり、震えが止まらなかった。暫くしてやっと何時もの感覚が戻り安堵する。腫れ物を触る様にそっと刺青に触れてみるも、今は何事もなかったかの様に其処に収まっていた。
「……力の開放…。それとも封印か…」
ぼんやりとそんな事を考えたが、何時も身の周りで支えてくれる大切な人達の心配そうな顔を思い出す。
「……決まってる。皆の心配の種を増やしたくない。それに…、今まで父上が必死に護ってくれた身体だ、大事にしないと」
そう口に出すとやはり二の腕の刺青はチクリと痛むのだった。