《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
分かりきっていた反応だが、ここで自身の意思を明確に開示しなければ永遠に前には進めない。丁寧に歴然と続けるラインアーサ。
「今はまだ、他にやるべき事が自分にはあるのではないか。と今回国内で起きてしまった事件を通して考えさせれた。───その為、誠に身勝手だと自省せざるを得ないが、縁談や婚約などの件は一度全て辞退を宣言すると決めた。本来ならば此方から出向き謝罪すべき所…。本日は、心からの感謝と詫びの気持ちを込めて王宮で腕によりをかけた宴料理を楽しんでくれたら幸いだ」
発言し終わる頃にはしんと静まり返っていた広間だが、すぐに一人の令嬢が声を上げた。
「……そんな! アーサ様、私達の中から婚約者を選んでくださるのでは無いのですか?! 私はそう思い、本日此処へ参じたのです!」
その一声を始めに次々と意見が飛び出す。
「そうですわ! 今は必要なくてもわたくしの一族ならばいつか必ずローゼン家のお力添えになれます! どうか!!」
「私の家は町で一番の権力を持っています! 決して損はさせません!」
「わ、わたしの家門の財産だってどこの家にも引けを取りませんわ!」
「わたくしの家だって!!」
ついには富や権力で言い争いをはじめてしまった。予測出来なかった訳では無いが案の定、令嬢同士に依然として険悪な雰囲気が漂う。
「今はまだ、他にやるべき事が自分にはあるのではないか。と今回国内で起きてしまった事件を通して考えさせれた。───その為、誠に身勝手だと自省せざるを得ないが、縁談や婚約などの件は一度全て辞退を宣言すると決めた。本来ならば此方から出向き謝罪すべき所…。本日は、心からの感謝と詫びの気持ちを込めて王宮で腕によりをかけた宴料理を楽しんでくれたら幸いだ」
発言し終わる頃にはしんと静まり返っていた広間だが、すぐに一人の令嬢が声を上げた。
「……そんな! アーサ様、私達の中から婚約者を選んでくださるのでは無いのですか?! 私はそう思い、本日此処へ参じたのです!」
その一声を始めに次々と意見が飛び出す。
「そうですわ! 今は必要なくてもわたくしの一族ならばいつか必ずローゼン家のお力添えになれます! どうか!!」
「私の家は町で一番の権力を持っています! 決して損はさせません!」
「わ、わたしの家門の財産だってどこの家にも引けを取りませんわ!」
「わたくしの家だって!!」
ついには富や権力で言い争いをはじめてしまった。予測出来なかった訳では無いが案の定、令嬢同士に依然として険悪な雰囲気が漂う。