《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
今まで縁談自体に全くと言って良いほど興味が持てずにいた。その時が来たらその時に申し入れのあった数名から生涯を共にする相手を一名選び、父 ライオネルの様に国の為尽くして行くのだろうと漠然としか考えていなかった。
だが運命的に再会したのだ。大切でかけがえの無い存在と。初めて出会った〝あの日〟からラインアーサの心に深く根付いており、再会してから想いは急成長。今は傍で守りたいという強い気持ちが開花し漸く実を結びそうなのだ。
騒然とする大広間にまたも一声があがる。
「アーサ様! どうか今此処でわたくし達の中から誰か一人を選んでください! そうして下さればわたくし達も納得致します!!」
「っ…! それは…」
「何故ですの?」
「なんでしたら一人と言わずに…っ! 私は側室だとしても光栄です、喜んで仕えますわ! ですからどうか!」
このままでは絶対に引けないと、哀願され選択を求められる。そこでハリがそっと耳打ちをしてきた。
「……ライア。ここは場を収めるためにも、今この中から適当な令嬢を一人を選ぶのが無難かと」
「駄目だ! それじゃあこの場を設けた意味がない…。それに俺は…」
「……ですがこのままでは収拾が…」
だが運命的に再会したのだ。大切でかけがえの無い存在と。初めて出会った〝あの日〟からラインアーサの心に深く根付いており、再会してから想いは急成長。今は傍で守りたいという強い気持ちが開花し漸く実を結びそうなのだ。
騒然とする大広間にまたも一声があがる。
「アーサ様! どうか今此処でわたくし達の中から誰か一人を選んでください! そうして下さればわたくし達も納得致します!!」
「っ…! それは…」
「何故ですの?」
「なんでしたら一人と言わずに…っ! 私は側室だとしても光栄です、喜んで仕えますわ! ですからどうか!」
このままでは絶対に引けないと、哀願され選択を求められる。そこでハリがそっと耳打ちをしてきた。
「……ライア。ここは場を収めるためにも、今この中から適当な令嬢を一人を選ぶのが無難かと」
「駄目だ! それじゃあこの場を設けた意味がない…。それに俺は…」
「……ですがこのままでは収拾が…」