《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
その後運ばれて来た料理を何品か摘んだ事。その時に口にした酒がやけに極上だった事。とにかく気分が良く舞い上がっていた所為で後はあまり憶えていない。華やかに着飾ったスズランが隣に居るという事実が新鮮でラインアーサの気持ちは更に高揚していった。
令嬢たちの中にはがっかりと肩を落として帰って行った者もいれば、割り切ってそのまま晩餐を楽しんでいる者もいる。
ライオネルに話を振られ、遠慮がちに受け答えるスズランの姿を眺めながら幸福でふやけそうな顔を必死に引き締めるラインアーサ。
「本日はお目にかかることが出来て本当に光栄だよスズランさん! 君とずっと会ってみたかったからね。少し強引だったかな? でもこうして足を運んでくれてとても嬉しいよ」
「あっ、あの! そんなっ…身に余るお言葉です陛下。わたしの方こそこうしてお呼びして頂いてとても、とても感謝をしています」
そんなライオネルとスズランのやり取りさえも何処かふんわりと耳に入って来る始末。嫌でも口元が緩みはじめる。
「アーサ! 何惚けているんだい? そんな事ではちゃんとスズランさんをエスコート出来るのかな?」
「も、もちろん!! ちゃんと付き添うよ。おいでスズラン」
「あっ…」
令嬢たちの中にはがっかりと肩を落として帰って行った者もいれば、割り切ってそのまま晩餐を楽しんでいる者もいる。
ライオネルに話を振られ、遠慮がちに受け答えるスズランの姿を眺めながら幸福でふやけそうな顔を必死に引き締めるラインアーサ。
「本日はお目にかかることが出来て本当に光栄だよスズランさん! 君とずっと会ってみたかったからね。少し強引だったかな? でもこうして足を運んでくれてとても嬉しいよ」
「あっ、あの! そんなっ…身に余るお言葉です陛下。わたしの方こそこうしてお呼びして頂いてとても、とても感謝をしています」
そんなライオネルとスズランのやり取りさえも何処かふんわりと耳に入って来る始末。嫌でも口元が緩みはじめる。
「アーサ! 何惚けているんだい? そんな事ではちゃんとスズランさんをエスコート出来るのかな?」
「も、もちろん!! ちゃんと付き添うよ。おいでスズラン」
「あっ…」