《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「げっ、てかそんなに来て平気なのかよ。どーでもいいけど親父だって心配してたぞ?」
「げってお前な……自分の仕事は終わらせてから来てるのでご心配なく! じゃあなセィシェル」
「お、俺は心配してねぇからな!」
「はいはい。また明日な」
むきになるセィシェルを置いてラインアーサは帰路についた。セィシェルも根は真面目で優しいのだろう。しかしあの口の悪さでは玉に瑕だ。それでも何処か憎めない存在なのである。
「───おかえり、アーサ。その様子だとちゃんと送り狼にはならなかったみたいだね」
「父上…! 息子に笑顔でそんな事言わないでくれる?」
「あはは、ごめんごめん。それよりもちょっとした話なんだけど今いいかい?」
またも部屋の前で待っていたライオネルに苦笑しつつも談話室へと招き入れる。
「ああ、今日は遅いしすぐに済むからお構いなくだよ」
「ふうん。で、話って?」
「もちろん彼女の事さ」
「っ…父上……まさか反対なのか? それはスズランが平民だから? そんな事言ったら母様だって……」
「アーサ、最後まで聞いておくれ。私は反対所か大賛成さ。だが彼女は……。どうもただの平民ではない気がして、ね。なんと言えばいいか…」
「げってお前な……自分の仕事は終わらせてから来てるのでご心配なく! じゃあなセィシェル」
「お、俺は心配してねぇからな!」
「はいはい。また明日な」
むきになるセィシェルを置いてラインアーサは帰路についた。セィシェルも根は真面目で優しいのだろう。しかしあの口の悪さでは玉に瑕だ。それでも何処か憎めない存在なのである。
「───おかえり、アーサ。その様子だとちゃんと送り狼にはならなかったみたいだね」
「父上…! 息子に笑顔でそんな事言わないでくれる?」
「あはは、ごめんごめん。それよりもちょっとした話なんだけど今いいかい?」
またも部屋の前で待っていたライオネルに苦笑しつつも談話室へと招き入れる。
「ああ、今日は遅いしすぐに済むからお構いなくだよ」
「ふうん。で、話って?」
「もちろん彼女の事さ」
「っ…父上……まさか反対なのか? それはスズランが平民だから? そんな事言ったら母様だって……」
「アーサ、最後まで聞いておくれ。私は反対所か大賛成さ。だが彼女は……。どうもただの平民ではない気がして、ね。なんと言えばいいか…」