《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「アーサ様こそ最近とても朝がお早いと王宮の皆が驚かれてますよ! 何か、お調べ物ですか?」
「ん? ああ、少しな」
書物庫にて調べ物をしていたラインアーサ。以前は古代術を調べていたが、今回は雷花の国 小フリュイ公国について。
どんな些細な事でもスズランに繋がる手掛かりを、と調べていたがどれも当たり障りのない内容やピンとこないものばかりだ。
「今、少しお時間大丈夫ですか?」
「どうした。何かあったのか?」
「ふふ、その調子ですとすっかりお忘れの様ですね。本日は、収穫祭はもちろんアーサ様御自身のお誕生日ですよ?」
そう言い控えめに微笑むリーナ。
「ああ、いや忘れていたわけじゃあないんだ…。ただ、何ていうかもうこの歳になって祝うのも少し恥ずかしいしな」
「 何を仰るんですか! ライオネル様だって今年はアーサ様のご生誕に合わせて祝砲は二十三砲打ち上げると張り切ってらしたのに!」
「あはは、父上は張り切りすぎだよ。道理で今朝の祝砲は何時もよりも激しいと思ったんだ」
相変わらずなライオネルの行動に思わず笑みがこぼれる。
「みんなアーサ様をお祝いしたいんですよ! もちろんあたしもです!」
「ありがとうリーナ」
「ん? ああ、少しな」
書物庫にて調べ物をしていたラインアーサ。以前は古代術を調べていたが、今回は雷花の国 小フリュイ公国について。
どんな些細な事でもスズランに繋がる手掛かりを、と調べていたがどれも当たり障りのない内容やピンとこないものばかりだ。
「今、少しお時間大丈夫ですか?」
「どうした。何かあったのか?」
「ふふ、その調子ですとすっかりお忘れの様ですね。本日は、収穫祭はもちろんアーサ様御自身のお誕生日ですよ?」
そう言い控えめに微笑むリーナ。
「ああ、いや忘れていたわけじゃあないんだ…。ただ、何ていうかもうこの歳になって祝うのも少し恥ずかしいしな」
「 何を仰るんですか! ライオネル様だって今年はアーサ様のご生誕に合わせて祝砲は二十三砲打ち上げると張り切ってらしたのに!」
「あはは、父上は張り切りすぎだよ。道理で今朝の祝砲は何時もよりも激しいと思ったんだ」
相変わらずなライオネルの行動に思わず笑みがこぼれる。
「みんなアーサ様をお祝いしたいんですよ! もちろんあたしもです!」
「ありがとうリーナ」