《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「そんなの当たり前です! それであの……アーサ様、あたし…!」
「ん?」
何か言いたげにこちらを見るリーナだが、目を合わせると素早くそらされてしまう。
「い、いえ! お誕生日おめでとうございますアーサ様」
「改めてありがとう。しかしリーナも大きくなったなあ! あんなに小さかったのにな……俺も歳をとるわけだ、はは」
つい頭を撫でると何故か俯くリーナ。以前は喜んでくれていたのだが、それこそもうそんな歳ではないのか。
「アーサ様……御公務が終わってからで大丈夫なのですが、イリア様がお呼びしておりますので後ほど食堂までお越しくださいね」
「食堂に姉上が? 分かった、公務が終わったら向かうよ」
「では。あたしはこれで失礼致します」
「いつもありがとうリーナ。姉上の事これからも頼むよ」
「…はい! 任せて下さいっ」
リーナはまた軽くお辞儀を終えると、来た時と同じく小走りで去っていった。
ジュリアンの妹であり、ラインアーサ自身も本当の妹の様に可愛がってきたリーナ。この兄妹とは生まれた時からずっと一緒に過ごしてきたのだ。ラインアーサにとって大切でかけがえの無い存在。それはこれからも変わらないだろう。
「ん?」
何か言いたげにこちらを見るリーナだが、目を合わせると素早くそらされてしまう。
「い、いえ! お誕生日おめでとうございますアーサ様」
「改めてありがとう。しかしリーナも大きくなったなあ! あんなに小さかったのにな……俺も歳をとるわけだ、はは」
つい頭を撫でると何故か俯くリーナ。以前は喜んでくれていたのだが、それこそもうそんな歳ではないのか。
「アーサ様……御公務が終わってからで大丈夫なのですが、イリア様がお呼びしておりますので後ほど食堂までお越しくださいね」
「食堂に姉上が? 分かった、公務が終わったら向かうよ」
「では。あたしはこれで失礼致します」
「いつもありがとうリーナ。姉上の事これからも頼むよ」
「…はい! 任せて下さいっ」
リーナはまた軽くお辞儀を終えると、来た時と同じく小走りで去っていった。
ジュリアンの妹であり、ラインアーサ自身も本当の妹の様に可愛がってきたリーナ。この兄妹とは生まれた時からずっと一緒に過ごしてきたのだ。ラインアーサにとって大切でかけがえの無い存在。それはこれからも変わらないだろう。