《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
ハリの方から歩み寄る姿勢に嬉しくなる。以前は殆どの感情を出さず、会話も最低限の発言が常だった。
ラインアーサはこれを機にもっとハリの心情を知れればと話を繋げる。
「俺は別に身の回りの世話係が欲しかった訳じゃあないんだ。……あの日。倒れてるハリを見つけてここに連れてきた時、あんまりにも無口だったのが気になってさ」
「……」
「その後何日もずっとそんな感じだったからどうしても話をしてみたい、出来れば仲良くなりたいなって。それでつい側近にしたい! なんて我儘を言ったわけで、俺はハリがそんな風に思ってたなんて驚いたよ」
「そうなんですか? 私は何時も…」
「そんな堅苦しくなるなよ。それにハリは凄く優秀だよ! 本当は俺の側近だなんて勿体ない位だ。なんならもっと色々教えてくれないか? ハリの事」
嬉しさを隠しきれず更にハリへと問うた。
「私の、事で?」
「何でもいいよ、何かあれば」
ハリは少し間を置いてから控えめに口を開いた。
「……では、収穫祭での」
「収穫祭の?」
「今年の主役は何故、南瓜なのでしょうか…」
「へ?」
「昨年は葡萄だったと聞きました」
「ああ、確かにそうだったな。それが?」
ラインアーサはこれを機にもっとハリの心情を知れればと話を繋げる。
「俺は別に身の回りの世話係が欲しかった訳じゃあないんだ。……あの日。倒れてるハリを見つけてここに連れてきた時、あんまりにも無口だったのが気になってさ」
「……」
「その後何日もずっとそんな感じだったからどうしても話をしてみたい、出来れば仲良くなりたいなって。それでつい側近にしたい! なんて我儘を言ったわけで、俺はハリがそんな風に思ってたなんて驚いたよ」
「そうなんですか? 私は何時も…」
「そんな堅苦しくなるなよ。それにハリは凄く優秀だよ! 本当は俺の側近だなんて勿体ない位だ。なんならもっと色々教えてくれないか? ハリの事」
嬉しさを隠しきれず更にハリへと問うた。
「私の、事で?」
「何でもいいよ、何かあれば」
ハリは少し間を置いてから控えめに口を開いた。
「……では、収穫祭での」
「収穫祭の?」
「今年の主役は何故、南瓜なのでしょうか…」
「へ?」
「昨年は葡萄だったと聞きました」
「ああ、確かにそうだったな。それが?」