《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ふあ、、っ…ライア!?」
「ごめん。待ってるから着替えておいで」
蕩けた表情のスズランを見たら急に気恥ずかしくなり、そう言って誤魔化した。
「……うん、待っててね」
スズランも両頬を赤く染めながら自室に続く階段を駆け上がって行った。
またしても余裕のない格好悪い所を見せてしまった、と反省しつつ階段横の壁に凭れ掛かる。分かっていてもスズランの前ではなかなか自制がきかないのだ。もう少し落ち着いた所を見せたいのだがどうも一人で空回ってしまう。
(ああもう……俺って、どうしてこう…)
あれこれ考えながら小さく唸っていると頭上から声をかけられた。
「……ライア? ごめんなさい待たせちゃった?」
「へ? ……あ、いや全然待ってない!! 俺の方こそ急かして悪かっ…た…!?」
階段を見上げると傾き始めた太陽を背にした、淡く煌めくスズランの姿があった。以前ラインアーサがどさくさに紛れ強引に贈った白いローブを着ている。
今にも夕陽の光に溶けそうなその姿に言葉を失った。
「……やっぱり、、変?」
「まさか! いや。その服、本当に似合ってる……可愛いよ」
「あ、ありがとう。わたしが持ってる中でいちばん素敵なのってこの服なんだもの…」
「ごめん。待ってるから着替えておいで」
蕩けた表情のスズランを見たら急に気恥ずかしくなり、そう言って誤魔化した。
「……うん、待っててね」
スズランも両頬を赤く染めながら自室に続く階段を駆け上がって行った。
またしても余裕のない格好悪い所を見せてしまった、と反省しつつ階段横の壁に凭れ掛かる。分かっていてもスズランの前ではなかなか自制がきかないのだ。もう少し落ち着いた所を見せたいのだがどうも一人で空回ってしまう。
(ああもう……俺って、どうしてこう…)
あれこれ考えながら小さく唸っていると頭上から声をかけられた。
「……ライア? ごめんなさい待たせちゃった?」
「へ? ……あ、いや全然待ってない!! 俺の方こそ急かして悪かっ…た…!?」
階段を見上げると傾き始めた太陽を背にした、淡く煌めくスズランの姿があった。以前ラインアーサがどさくさに紛れ強引に贈った白いローブを着ている。
今にも夕陽の光に溶けそうなその姿に言葉を失った。
「……やっぱり、、変?」
「まさか! いや。その服、本当に似合ってる……可愛いよ」
「あ、ありがとう。わたしが持ってる中でいちばん素敵なのってこの服なんだもの…」