《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
川岸一面に咲く花達は優しく吹く風に揺れている。
「ほら、ちょうど此処だ」
「っ…ここって…!」
「あの日……十一年前。母が亡くなった日。ちょうど俺はこの場所に座り込んで打ちひしがれていたんだ」
「ライアの…、お母様が、、亡くなった日…」
「母は元々体が丈夫じゃあなかったんだけど、先の内乱で様々な心労が重なってね……俺は俺で少し微妙な時期でもあったんだ」
「微妙な時期?」
「まあ、反抗期…って訳でも無いんだけど、姉上の婚約が決まったり祖母やジュリが王宮から出ることになって何か置いていかれたような気持ちだったのかな。それぞれ理由があるって頭では分かっていても当時の俺は寂しさを感じずには居られなかった。そこにあの内乱が勃発した。姉上は何者かに攫われ行方不明。母さまはショックで床に伏してそのまま……そんな中、父上は懸命に国の復興に力を入れていた。なのに俺は何をすれば良いのか分からなくて、ただただ自分の力の無さにがっかりした」
「そんな…」
「俺は、民を導く国の代表たる王族で、しかも王子なのに一人では何も出来ないちっぽけな存在。なんて不甲斐ないんだろうってね……情けない事に今も大して成長出来てない」
「ほら、ちょうど此処だ」
「っ…ここって…!」
「あの日……十一年前。母が亡くなった日。ちょうど俺はこの場所に座り込んで打ちひしがれていたんだ」
「ライアの…、お母様が、、亡くなった日…」
「母は元々体が丈夫じゃあなかったんだけど、先の内乱で様々な心労が重なってね……俺は俺で少し微妙な時期でもあったんだ」
「微妙な時期?」
「まあ、反抗期…って訳でも無いんだけど、姉上の婚約が決まったり祖母やジュリが王宮から出ることになって何か置いていかれたような気持ちだったのかな。それぞれ理由があるって頭では分かっていても当時の俺は寂しさを感じずには居られなかった。そこにあの内乱が勃発した。姉上は何者かに攫われ行方不明。母さまはショックで床に伏してそのまま……そんな中、父上は懸命に国の復興に力を入れていた。なのに俺は何をすれば良いのか分からなくて、ただただ自分の力の無さにがっかりした」
「そんな…」
「俺は、民を導く国の代表たる王族で、しかも王子なのに一人では何も出来ないちっぽけな存在。なんて不甲斐ないんだろうってね……情けない事に今も大して成長出来てない」