《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「っ…俺だって……あの日にスズランと出会ってなければずっと前に進めないでいたよ」
自然と絡み合う瞳。そのまま距離を縮めようと頬に手を添えた瞬間スズランが何かを思い出した様に声をあげた。
「あ、そういえば!」
「ど、どうした?」
「わたしこの間初めてフルールって名を知ったの…。パーティに行く前にマスターから教えてもらって」
「そうなのか!? 元から知っていた訳じゃあないのか」
「うん。名乗る時があったらそう名乗ると良いって」
「スズランが狙われるのは……やっぱりフルールの一族だからかもしれないな」
「一族?」
「フリュイ公国という小さな国を代々治めてきた一族だよ。フリュイは特に鎖国している訳ではないんだけど行き方が複雑で入国も厳しいらしくて俺も訪れたことは無いんだ。だからかフルール族の希少性で狙われるってこともあるかもしれないな」
「フリュイ……公国」
「あとはマスターが詳しく知ってそうなんだ。今度また聞きに伺うよ」
「う、うん。マスターはわたしが聞いてもなかなか教えてくれなくて。でも本当はわたしも真実を聞くのが少し怖い」
「大丈夫。今度二人で一緒に聞きに行こう…。俺もちゃんとスズランの事知りたい」
自然と絡み合う瞳。そのまま距離を縮めようと頬に手を添えた瞬間スズランが何かを思い出した様に声をあげた。
「あ、そういえば!」
「ど、どうした?」
「わたしこの間初めてフルールって名を知ったの…。パーティに行く前にマスターから教えてもらって」
「そうなのか!? 元から知っていた訳じゃあないのか」
「うん。名乗る時があったらそう名乗ると良いって」
「スズランが狙われるのは……やっぱりフルールの一族だからかもしれないな」
「一族?」
「フリュイ公国という小さな国を代々治めてきた一族だよ。フリュイは特に鎖国している訳ではないんだけど行き方が複雑で入国も厳しいらしくて俺も訪れたことは無いんだ。だからかフルール族の希少性で狙われるってこともあるかもしれないな」
「フリュイ……公国」
「あとはマスターが詳しく知ってそうなんだ。今度また聞きに伺うよ」
「う、うん。マスターはわたしが聞いてもなかなか教えてくれなくて。でも本当はわたしも真実を聞くのが少し怖い」
「大丈夫。今度二人で一緒に聞きに行こう…。俺もちゃんとスズランの事知りたい」