《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ぁ…っライ…、ア…」
「な…、スズラン!? どうした?」
スズランを腕に抱くも見る間に青白くなる顔色。繋いでいた温もりは今や氷よりも冷たい。
「っ、わか…、なぃ…っでも息、が……くるし…っ」
懸命に首を横に降りながら口を開くも息も絶え絶えだ。
「息!? 苦しいのか? まってろ今すぐ楽に…」
ラインアーサはすぐ様、風を喚びおこし癒しの風をめいいっぱいスズランへと吹かせた。得意分野である癒しの風は万能型の煌像術である。大体の体調不良などはこれでたちまちに良くなる筈だ。
しかしどれだけ癒しの風を吹かせても一向に良くならないどころか、スズランの息づかいは次第に浅くなってゆく。謎の症状は更に酷くなる様に感じた。
「……は、っは…、あ…っ」
「何でだ!? 効いてない?」
「……らい、あ…っ…」
「無理に話さなくていい! っ…そうだ! 待ってろ…、今すぐ助けるからな…」
ラインアーサはスズランを横抱きにすると、立ち上がり王宮の医務室へと足を急いだ。
「───ジュストベル!! エルベルト先生!! 誰か居ないか!?」
憔悴するスズランを腕に抱き、王宮の廊下を急く。医務室の手前まで来た所でジュリアンと遭遇した。
「な…、スズラン!? どうした?」
スズランを腕に抱くも見る間に青白くなる顔色。繋いでいた温もりは今や氷よりも冷たい。
「っ、わか…、なぃ…っでも息、が……くるし…っ」
懸命に首を横に降りながら口を開くも息も絶え絶えだ。
「息!? 苦しいのか? まってろ今すぐ楽に…」
ラインアーサはすぐ様、風を喚びおこし癒しの風をめいいっぱいスズランへと吹かせた。得意分野である癒しの風は万能型の煌像術である。大体の体調不良などはこれでたちまちに良くなる筈だ。
しかしどれだけ癒しの風を吹かせても一向に良くならないどころか、スズランの息づかいは次第に浅くなってゆく。謎の症状は更に酷くなる様に感じた。
「……は、っは…、あ…っ」
「何でだ!? 効いてない?」
「……らい、あ…っ…」
「無理に話さなくていい! っ…そうだ! 待ってろ…、今すぐ助けるからな…」
ラインアーサはスズランを横抱きにすると、立ち上がり王宮の医務室へと足を急いだ。
「───ジュストベル!! エルベルト先生!! 誰か居ないか!?」
憔悴するスズランを腕に抱き、王宮の廊下を急く。医務室の手前まで来た所でジュリアンと遭遇した。