《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「お! やっと来たか、やけに遅かったじゃん? てかお姫様抱っこで登場とか! さてはラブラブだな?」
「っ……ジュリ!」
「所でさ、お前さっきくしゃみしなかったか? お前の噂話をたっぷり…ってスズランちゃん!? 一体何がどうした?」
いつもの様におちょくる様な態度のジュリアンだったが腕の中のスズランを見て一変した。
「ジュリ! ジュストベルは居るか? スズランが…」
「じい様なら今さっき戻って行ったぞ? 呼び戻すか?」
「頼む、そうしてくれ」
「ようし分かった、ちょっと待ってろ!」
「っ…助かる」
事を察して迅速に動くジュリアン。付き合いの長さが非常に有難く感じた。
続いて医務室の扉に向かい、半ば叫ぶ様にエルベルトを呼ぶ。
「先生! 開けてくれ救急なんだ!」
扉が開くまでの時間さえもどかしく、中からエルベルトが顔を出すなり詰め寄る。
「アーサ様! どうなされました? その方は…」
「悪い、説明は後で! すぐにスズランを診てくれないか?」
「畏まりました。先ずはその方をこちらに…」
「ああ…!」
医務室の寝台にそっとスズランを下ろす。先程よりも殊更真っ白で血の気のない顔に息を呑んだ。
「っ……ジュリ!」
「所でさ、お前さっきくしゃみしなかったか? お前の噂話をたっぷり…ってスズランちゃん!? 一体何がどうした?」
いつもの様におちょくる様な態度のジュリアンだったが腕の中のスズランを見て一変した。
「ジュリ! ジュストベルは居るか? スズランが…」
「じい様なら今さっき戻って行ったぞ? 呼び戻すか?」
「頼む、そうしてくれ」
「ようし分かった、ちょっと待ってろ!」
「っ…助かる」
事を察して迅速に動くジュリアン。付き合いの長さが非常に有難く感じた。
続いて医務室の扉に向かい、半ば叫ぶ様にエルベルトを呼ぶ。
「先生! 開けてくれ救急なんだ!」
扉が開くまでの時間さえもどかしく、中からエルベルトが顔を出すなり詰め寄る。
「アーサ様! どうなされました? その方は…」
「悪い、説明は後で! すぐにスズランを診てくれないか?」
「畏まりました。先ずはその方をこちらに…」
「ああ…!」
医務室の寝台にそっとスズランを下ろす。先程よりも殊更真っ白で血の気のない顔に息を呑んだ。