《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「このままだとスズランは…?」
「……体温も下がってます、非常に危険な状態かと」
「っ…先生、俺に何か出来る事はないのか?」
「今は応急処置として身体をあたため、回復系の煌像術をかけ様子を見るしか無さそうです」
「分かった」
もう一度癒しの風を施す。エルベルトも光の属性を駆使した癒しの煌像術をそれぞれスズランへとかけ続けるも症状に改善は見られず、顔色も良くならない。彼女の冷えきった手を握る。
「……辛くないか?」
「…うん、……ライアの手、あったかい」
「少しでも楽な体勢に……あ、いつも身に付けてるその首輪飾りも、出来れば外した方が良くないか? なるべく締め付ける様なものは」
「……これ、じつは外し方がわからなくて。物心つく前からずっと身に付けてるの」
「外し方が分からない?」
「……あ、でもそんなにきつくないから、、へいき…、だよ」
浅い呼吸に合わせて胸が上下する。
スズランの華奢で細い首元をいつも鮮やかに飾っている黄金色の首輪飾り。特に宝飾は無く簡素にも見えるが、よく見ると薄く模様が彫られている。確かに何処にも繋ぎ目が無く取り外すどころかどうやって嵌めたのかすら不明だ。
しかしこの首輪飾り、不思議な事に何処かで似た様な細工の物を見た覚えがある。
「……体温も下がってます、非常に危険な状態かと」
「っ…先生、俺に何か出来る事はないのか?」
「今は応急処置として身体をあたため、回復系の煌像術をかけ様子を見るしか無さそうです」
「分かった」
もう一度癒しの風を施す。エルベルトも光の属性を駆使した癒しの煌像術をそれぞれスズランへとかけ続けるも症状に改善は見られず、顔色も良くならない。彼女の冷えきった手を握る。
「……辛くないか?」
「…うん、……ライアの手、あったかい」
「少しでも楽な体勢に……あ、いつも身に付けてるその首輪飾りも、出来れば外した方が良くないか? なるべく締め付ける様なものは」
「……これ、じつは外し方がわからなくて。物心つく前からずっと身に付けてるの」
「外し方が分からない?」
「……あ、でもそんなにきつくないから、、へいき…、だよ」
浅い呼吸に合わせて胸が上下する。
スズランの華奢で細い首元をいつも鮮やかに飾っている黄金色の首輪飾り。特に宝飾は無く簡素にも見えるが、よく見ると薄く模様が彫られている。確かに何処にも繋ぎ目が無く取り外すどころかどうやって嵌めたのかすら不明だ。
しかしこの首輪飾り、不思議な事に何処かで似た様な細工の物を見た覚えがある。