《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ほう。熱は無いようで…。それではハリ殿にお出しているものと同じ茶葉に柑橘類の皮と朝露を数滴足したお茶を淹れてみましょう」
「それで良くなるのか!?」
「さて、飲んでみないことには分かりませぬが」
いつもなら香りを楽しみ茶葉を蒸らす僅かな時でさえももどかしい。少しでも早くスズランを楽にしてやれないかと気持ちばかりが先走る。
「さあ、お茶がはいりましたよ」
「ありがとうジュストベル! スズラン、身体起こせるか?」
「……ん…」
ジュストベルからお茶の入ったカップを受け取り寝台の横の机に置く。力なく起き上がろうとするスズランを抱き起こすとそのまま体で支えるようにして一緒に座った。
「俺に凭れてて良いからお茶を…」
「ありがとう…。いただきます」
「熱いから気をつけて」
「うん…」
スズランは冷ますために何度かお茶に息を吹きかけ、一口。また一口とゆっくりと口に含む。お茶が喉を通る度に真っ白だった頬はほんのりと赤みを指してゆき、先程よりもかなり回復している。呼吸も落ち着いてきた様だ。
「苦しくないか? 少しでも楽になったのなら良いけど…」
「……ん…。すごく、楽になったみたい…」
「それで良くなるのか!?」
「さて、飲んでみないことには分かりませぬが」
いつもなら香りを楽しみ茶葉を蒸らす僅かな時でさえももどかしい。少しでも早くスズランを楽にしてやれないかと気持ちばかりが先走る。
「さあ、お茶がはいりましたよ」
「ありがとうジュストベル! スズラン、身体起こせるか?」
「……ん…」
ジュストベルからお茶の入ったカップを受け取り寝台の横の机に置く。力なく起き上がろうとするスズランを抱き起こすとそのまま体で支えるようにして一緒に座った。
「俺に凭れてて良いからお茶を…」
「ありがとう…。いただきます」
「熱いから気をつけて」
「うん…」
スズランは冷ますために何度かお茶に息を吹きかけ、一口。また一口とゆっくりと口に含む。お茶が喉を通る度に真っ白だった頬はほんのりと赤みを指してゆき、先程よりもかなり回復している。呼吸も落ち着いてきた様だ。
「苦しくないか? 少しでも楽になったのなら良いけど…」
「……ん…。すごく、楽になったみたい…」