《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ああ、これはスズランが幼い頃からずっと身につけてる物だそうだ。確かこれとよく似た物を何処かで見た事ある筈なんだけどジュストベルは何か知ってるのか?」
思った事を口にしたのだがジュストベルは首を傾げた。
「知っているも何も、毎日目にしておる筈ですが? 貴方様も良くご存知、ハリ殿が同様の物をお持ちです」
そう言われてはっとなる。ハリも出会った頃からずっと首に金の輪飾りを身につけている。
「っそうだ! ハリがつけてるのとすごく良く似てるんだ…! どうして今まで気づかなかったんだ……」
「ハリさんと、同じ物?」
「……」
「そうなんだ、もし同じ物なら外し方も知っているかもしれないな。後でハリに聞いておくよ」
「……ラインアーサ様。これはしっかりと調べた上で申し上げた方が良いかとは思ったのですが…」
「この首輪飾りに何か意味があるのか?」
「少々、申し上げにくい内容ですがそれでも宜しいので?」
「そう言われると尚更気になるけど…」
何やら渋い顔をしていたジュストベルだが、長く息を吐くと漸く口を開く。
「……恐らくルゥアンダ帝国の古い慣わしでしょう。帝国では高貴な人物同士で婚約などの〝契約〟が発生した場合、番の証として互いの首に揃いの輪飾りを嵌めるのです」
思った事を口にしたのだがジュストベルは首を傾げた。
「知っているも何も、毎日目にしておる筈ですが? 貴方様も良くご存知、ハリ殿が同様の物をお持ちです」
そう言われてはっとなる。ハリも出会った頃からずっと首に金の輪飾りを身につけている。
「っそうだ! ハリがつけてるのとすごく良く似てるんだ…! どうして今まで気づかなかったんだ……」
「ハリさんと、同じ物?」
「……」
「そうなんだ、もし同じ物なら外し方も知っているかもしれないな。後でハリに聞いておくよ」
「……ラインアーサ様。これはしっかりと調べた上で申し上げた方が良いかとは思ったのですが…」
「この首輪飾りに何か意味があるのか?」
「少々、申し上げにくい内容ですがそれでも宜しいので?」
「そう言われると尚更気になるけど…」
何やら渋い顔をしていたジュストベルだが、長く息を吐くと漸く口を開く。
「……恐らくルゥアンダ帝国の古い慣わしでしょう。帝国では高貴な人物同士で婚約などの〝契約〟が発生した場合、番の証として互いの首に揃いの輪飾りを嵌めるのです」