《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ごめん、行かないよ。大丈夫だ、スズラン」
「うん…」
スズランの方に向き直るとそのまま腰に抱きつかれてしまった。そっと髪に触れ撫でると細い腕に更に力が込められた。
「あー、ゴホン…。アーサ様、少しの間席を外しましょうかな」
「何で? どうかしたのか先生」
「ラインアーサ様。私、自室に追加の茶葉を取りに行ってきます」
「お、おい! ジュストベルも何言って…、茶葉だって此処にもたくさんあるだろ」
「少ししたら戻りますよ」
「……ごゆるりと」
ジュリアンの退室に続き、エルベルトもジュストベルも何故か都合を合わせるかの様に医務室から出て行く。
「何だよみんな…」
「……」
「……スズラン?」
寝台に座り直すもラインアーサの体にしがみついたままのスズラン。呼びかけるもぴたりとくっ付いて離れようとしない。
「……不安にさせてごめん。スズランの事守るって言ったのに全然約束守れてないよな…。俺、努力するよ……今までよりもっと! だから俺の…」
「ライアの方こそ…」
「え…?」
少し腕の力を緩めてラインアーサの瞳を覗き込んでくるスズラン。その顔は予想に反して微笑んでいた。その少し困った様な笑顔にドキリと心臓が跳ねた。
「うん…」
スズランの方に向き直るとそのまま腰に抱きつかれてしまった。そっと髪に触れ撫でると細い腕に更に力が込められた。
「あー、ゴホン…。アーサ様、少しの間席を外しましょうかな」
「何で? どうかしたのか先生」
「ラインアーサ様。私、自室に追加の茶葉を取りに行ってきます」
「お、おい! ジュストベルも何言って…、茶葉だって此処にもたくさんあるだろ」
「少ししたら戻りますよ」
「……ごゆるりと」
ジュリアンの退室に続き、エルベルトもジュストベルも何故か都合を合わせるかの様に医務室から出て行く。
「何だよみんな…」
「……」
「……スズラン?」
寝台に座り直すもラインアーサの体にしがみついたままのスズラン。呼びかけるもぴたりとくっ付いて離れようとしない。
「……不安にさせてごめん。スズランの事守るって言ったのに全然約束守れてないよな…。俺、努力するよ……今までよりもっと! だから俺の…」
「ライアの方こそ…」
「え…?」
少し腕の力を緩めてラインアーサの瞳を覗き込んでくるスズラン。その顔は予想に反して微笑んでいた。その少し困った様な笑顔にドキリと心臓が跳ねた。