《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ありがとう。ライアがそう言ってくれてすごくうれしいの…。わたし、ライアが一緒なら何も怖くないよ! だからライアの方こそいつも笑顔でいてね…」
そう言われハッとした。先程から余裕のない所ばかり見せてしまっていたのだから。本当に自分が情けなくなる。スズランはラインアーサを元気付けようと不安を押し込め、笑顔を見せてくれたのだ。
「本当駄目だな、俺。もっとしっかりしないと」
「ううん。おひさまみたいなライアの笑顔が曇ったらわたしも悲しいの……それだけだよ」
「スズラン…」
「わたし、怖いけどちゃんと向き合う……どんな事があってもライアが隣に居てくれたら平気だもん」
儚げで美しくも、意志のこもったスズランの瞳を、ラインアーサは強く見つめ返した。
「ん、わかった。俺もスズランの事もっと笑顔でいっぱいにさせるから…」
「うん…!」
見せてほしい。大好きなあの笑顔を。
そうして二人で微笑み合う。
そんな和やかな雰囲気を打ち壊す様な破壊音が突如鼓膜に突き刺さる。
「な、なんだ?」
医務室の外からの様だがラインアーサが立ち上がると再度破壊音が鳴り響いた。
「何? 何かが壊れたみたいな音…」
「……少し廊下の様子を見て来る。危険かも知れないからスズランはこのままここに居て」
そう言われハッとした。先程から余裕のない所ばかり見せてしまっていたのだから。本当に自分が情けなくなる。スズランはラインアーサを元気付けようと不安を押し込め、笑顔を見せてくれたのだ。
「本当駄目だな、俺。もっとしっかりしないと」
「ううん。おひさまみたいなライアの笑顔が曇ったらわたしも悲しいの……それだけだよ」
「スズラン…」
「わたし、怖いけどちゃんと向き合う……どんな事があってもライアが隣に居てくれたら平気だもん」
儚げで美しくも、意志のこもったスズランの瞳を、ラインアーサは強く見つめ返した。
「ん、わかった。俺もスズランの事もっと笑顔でいっぱいにさせるから…」
「うん…!」
見せてほしい。大好きなあの笑顔を。
そうして二人で微笑み合う。
そんな和やかな雰囲気を打ち壊す様な破壊音が突如鼓膜に突き刺さる。
「な、なんだ?」
医務室の外からの様だがラインアーサが立ち上がると再度破壊音が鳴り響いた。
「何? 何かが壊れたみたいな音…」
「……少し廊下の様子を見て来る。危険かも知れないからスズランはこのままここに居て」