《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
ほの暗い空間に一人取り残される。
「次は、一体どうしたらいい…っ!」
スズランを助けたい一心でここまで来たが何をどうしたらいいのかが分からずじりじりと焦りが増す。
不意に何処かにスズランの気配を感じた。
「ッ…スズラン? 居るのか!?」
このほの暗い空間の何処かにスズランが居る。
辺りをよく良く見渡している内に、いつの間にか王宮の横庭と良く似た場所へと変わっていた。咲き乱れる野花と美しく流れる小川の上に小さな石橋もある。
「此処……なんで…」
どこからどう見ても王宮の横庭だ。
此処は恐らくスズランの精神の世界、もとい夢の中と言った所だろうか。
スズランを探しながら漠然と歩き回るが、風でざわつく森には人影すらない。流石に不安になってくる。
「───あなた だあれ?」
突然背後から声をかけられ心臓が跳ね上がる。 振り向いた目線の先には誰も居ない。然しながら足元に目を移すとそこには幼い姿のスズランがラインアーサを見上げていた。
「スズラン!??」
「…? あなた、なんでスゥのおなまえ知ってるの?」
「っ…俺だよ……ライア!」
「…らい あ…?」
幼い姿のスズランにじっと見つめられる。多少気恥しかったが瞳をそらさずしっかりと見つめ返す。
「そう。俺のこと覚えて、ない…?」
「もしかして……ライアおにいちゃん?」
「次は、一体どうしたらいい…っ!」
スズランを助けたい一心でここまで来たが何をどうしたらいいのかが分からずじりじりと焦りが増す。
不意に何処かにスズランの気配を感じた。
「ッ…スズラン? 居るのか!?」
このほの暗い空間の何処かにスズランが居る。
辺りをよく良く見渡している内に、いつの間にか王宮の横庭と良く似た場所へと変わっていた。咲き乱れる野花と美しく流れる小川の上に小さな石橋もある。
「此処……なんで…」
どこからどう見ても王宮の横庭だ。
此処は恐らくスズランの精神の世界、もとい夢の中と言った所だろうか。
スズランを探しながら漠然と歩き回るが、風でざわつく森には人影すらない。流石に不安になってくる。
「───あなた だあれ?」
突然背後から声をかけられ心臓が跳ね上がる。 振り向いた目線の先には誰も居ない。然しながら足元に目を移すとそこには幼い姿のスズランがラインアーサを見上げていた。
「スズラン!??」
「…? あなた、なんでスゥのおなまえ知ってるの?」
「っ…俺だよ……ライア!」
「…らい あ…?」
幼い姿のスズランにじっと見つめられる。多少気恥しかったが瞳をそらさずしっかりと見つめ返す。
「そう。俺のこと覚えて、ない…?」
「もしかして……ライアおにいちゃん?」