《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「……そろそろ離してくれない? けっこう痛いんだけど」
「…っわ、悪い。でもどっちもハリなんだろ? 俺は今のハリも良いと思う。むしろ色々話せて嬉しいよ。スズランにした事は絶対ゆるさないけど…」
「へぇ、ゆるさないんだ」
抓られた頬を擦りながらハリがニヤリと口角をあげた。先程の自虐的な笑みとは違い何処か満足そうだ。
「一生ゆるさない。だから覚悟しろよハリ」
「クッ…あっははは!! 全く。ラインアーサ、君って本当面白いね」
「何だよそれ」
突然笑い出すハリに困惑する。
「ま、いいや。今回はこれで納得してあげる。じゃあ僕はまた少し眠るから後は宜しく……」
「よろしくって何を…、わっ!?」
聞き返そうにもハリがふらりと倒れ込んで来る。床に倒れる前に何とか抑え込む事が出来たが、ハリは意識を失ったままぐったりとしていて目を覚ましそうに無い。仕方なく支えたまま床に座り込む。
「おいハリ!? ハリ! ……駄目だ完全に意識がない」
だったらと、先程スズランに施した時と同様ハリの額に掌を翳す。しかし何も起こらなかった。同時に軽い目眩がラインアーサを襲う。
「っ…ん…。何だこの目眩…っ…───」
───遠くで誰かの声がする。ラインアーサを呼ぶ声が……。
「……サ…! アーサ!! おいアーサ!!」
「…っわ、悪い。でもどっちもハリなんだろ? 俺は今のハリも良いと思う。むしろ色々話せて嬉しいよ。スズランにした事は絶対ゆるさないけど…」
「へぇ、ゆるさないんだ」
抓られた頬を擦りながらハリがニヤリと口角をあげた。先程の自虐的な笑みとは違い何処か満足そうだ。
「一生ゆるさない。だから覚悟しろよハリ」
「クッ…あっははは!! 全く。ラインアーサ、君って本当面白いね」
「何だよそれ」
突然笑い出すハリに困惑する。
「ま、いいや。今回はこれで納得してあげる。じゃあ僕はまた少し眠るから後は宜しく……」
「よろしくって何を…、わっ!?」
聞き返そうにもハリがふらりと倒れ込んで来る。床に倒れる前に何とか抑え込む事が出来たが、ハリは意識を失ったままぐったりとしていて目を覚ましそうに無い。仕方なく支えたまま床に座り込む。
「おいハリ!? ハリ! ……駄目だ完全に意識がない」
だったらと、先程スズランに施した時と同様ハリの額に掌を翳す。しかし何も起こらなかった。同時に軽い目眩がラインアーサを襲う。
「っ…ん…。何だこの目眩…っ…───」
───遠くで誰かの声がする。ラインアーサを呼ぶ声が……。
「……サ…! アーサ!! おいアーサ!!」