《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
ぼやける視界の焦点を何とか合わせると目前で中腰のジュリアンがこちらの様子を伺っていた。
「……あ、ジュリ…?」
「あ、ジュリ…、じゃあないだろ! 一体この部屋で何があった? それにお前何でこんなに髪伸びてんだ!? この状況説明できそうか? おーいアーサ、しっかりしろ!」
「ん…。ハリが、スズランを……それで…っ……いや、二人共気を失ってるから…、早く手当を…」
「は? 全く分からん。手当って二人共確かに気を失ってるみたいだけど、お前が一番酷い怪我してるぜ? ほら、立てるか?」
ジュリアンはハリを軽々と抱き起こし、空いている寝台へ運ぶとラインアーサにも手を伸ばす。
「ん、俺なら大丈夫だ。怪我はほとんど治ってるから…」
差し伸べられたジュリアンの手を取り、多少ふらつきながらも立ち上がる。ジュリアンの顔を見て安心したのか再度気が抜けそうになってしまう。
「大丈夫って…。アーサ、まさか力が暴走したとかじゃあないよな?」
「……違うよ。今回は本当に大丈夫なんだ…。いつも迷惑掛けて悪いな」
「何言ってんだ、もっと頼れって…! 何の為に俺がいるんだよ。今じい様と先生も戻ってくるから着替えて待ってろ!」
「ジュリ……ありがとう」
「あー、礼なんていらないって。いつもの事だろ?」
それでも感謝していると小さく声に出した。
「……あ、ジュリ…?」
「あ、ジュリ…、じゃあないだろ! 一体この部屋で何があった? それにお前何でこんなに髪伸びてんだ!? この状況説明できそうか? おーいアーサ、しっかりしろ!」
「ん…。ハリが、スズランを……それで…っ……いや、二人共気を失ってるから…、早く手当を…」
「は? 全く分からん。手当って二人共確かに気を失ってるみたいだけど、お前が一番酷い怪我してるぜ? ほら、立てるか?」
ジュリアンはハリを軽々と抱き起こし、空いている寝台へ運ぶとラインアーサにも手を伸ばす。
「ん、俺なら大丈夫だ。怪我はほとんど治ってるから…」
差し伸べられたジュリアンの手を取り、多少ふらつきながらも立ち上がる。ジュリアンの顔を見て安心したのか再度気が抜けそうになってしまう。
「大丈夫って…。アーサ、まさか力が暴走したとかじゃあないよな?」
「……違うよ。今回は本当に大丈夫なんだ…。いつも迷惑掛けて悪いな」
「何言ってんだ、もっと頼れって…! 何の為に俺がいるんだよ。今じい様と先生も戻ってくるから着替えて待ってろ!」
「ジュリ……ありがとう」
「あー、礼なんていらないって。いつもの事だろ?」
それでも感謝していると小さく声に出した。