《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ほう、ではこちらの扉は貴方様が?」
「う、、でも仕方がなかったんだ! 緊急事態だったし…!」
「……」
溜息を吐きながら淡々と備品の修復をこなしてゆくジュストベル。その腕は確かで先程まで廊下に散らばっていた粉々の硝子はくもり一つない一枚の窓硝子へと修復された。
修復系の煌像術は高度な技術な為、手伝いたくてもそう簡単に出来るものではない。それでも何か手伝えないかと考えた。
「ジュストベル、俺も手伝おうか?」
「……ラインアーサ様、貴方様は修復の煌像術が大分お苦手だったかと記憶してますが?」
「ああ、いや…。扉の取っ手をくっつける位なら…」
ジュストベルはまたやれやれと溜息を吐くと一旦手を休め、ラインアーサの前に来て足を止めた。怒られるのかと思いきや心配そうに顔をのぞき込まれてしまう。
「結構。それよりもその御髪…。ついにお力の解放をされてしまったのですね……陛下が知ったら卒倒ものですぞ?」
「……心配掛けてごめん。でも俺どうしても…」
「理由はあらかた想像出来ます」
「ジュストベル…」
「御顔色が冴えないのもお力の解放と、そのお怪我の所為でありましょう。今回復をかけますので暫く安静にしておくのですぞ…」
「う、、でも仕方がなかったんだ! 緊急事態だったし…!」
「……」
溜息を吐きながら淡々と備品の修復をこなしてゆくジュストベル。その腕は確かで先程まで廊下に散らばっていた粉々の硝子はくもり一つない一枚の窓硝子へと修復された。
修復系の煌像術は高度な技術な為、手伝いたくてもそう簡単に出来るものではない。それでも何か手伝えないかと考えた。
「ジュストベル、俺も手伝おうか?」
「……ラインアーサ様、貴方様は修復の煌像術が大分お苦手だったかと記憶してますが?」
「ああ、いや…。扉の取っ手をくっつける位なら…」
ジュストベルはまたやれやれと溜息を吐くと一旦手を休め、ラインアーサの前に来て足を止めた。怒られるのかと思いきや心配そうに顔をのぞき込まれてしまう。
「結構。それよりもその御髪…。ついにお力の解放をされてしまったのですね……陛下が知ったら卒倒ものですぞ?」
「……心配掛けてごめん。でも俺どうしても…」
「理由はあらかた想像出来ます」
「ジュストベル…」
「御顔色が冴えないのもお力の解放と、そのお怪我の所為でありましょう。今回復をかけますので暫く安静にしておくのですぞ…」