《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「俺だって、スズランの事……もっと知りたいよ」
スズランの瞳をのぞき込む。
夢の中───。スズランの意識の中で色々な記憶を欠片として垣間見た。本人が覚えていない事も断片的にだが見てしまった。しかし彼女の口から教えて貰うのとは別だ。
「……ライア。わたしね、本当に覚えてなかったの…。ハリさんの事、何も…、許嫁だって事も…」
「二人の接点には俺も驚いたよ…。でも大丈夫だ。もう首の輪飾りは無い。ハリが自らの意思でスズランから外したんだ……外す為とはいえ、スズランにした事はゆるさないけど」
「っ…外れたんだからもう許嫁の約束はなくなるよね? わたし、ライアと一緒に居ても良いんだよね…?」
酷く不安そうに眉を下げるスズラン。
ラインアーサも不安が消せないのは同じだった。
それをかき消す様に強くスズランを抱きしめると耳元でそっと囁いた。
「絶対に離さない…。スズランを他の誰にも渡したくない……情けないけど、これが俺の本音…」
「…っ」
情けない程に声が掠れていた。もうずっとスズランには情けない所ばかり見せてしまっている。それでも言わずには居られなかった。
「……ごめん。スズランは物じゃあないのに」
「わたしもライアと離れたくない……あなたの事を、一番近くでひとりじめ…、したいの…」
スズランの瞳をのぞき込む。
夢の中───。スズランの意識の中で色々な記憶を欠片として垣間見た。本人が覚えていない事も断片的にだが見てしまった。しかし彼女の口から教えて貰うのとは別だ。
「……ライア。わたしね、本当に覚えてなかったの…。ハリさんの事、何も…、許嫁だって事も…」
「二人の接点には俺も驚いたよ…。でも大丈夫だ。もう首の輪飾りは無い。ハリが自らの意思でスズランから外したんだ……外す為とはいえ、スズランにした事はゆるさないけど」
「っ…外れたんだからもう許嫁の約束はなくなるよね? わたし、ライアと一緒に居ても良いんだよね…?」
酷く不安そうに眉を下げるスズラン。
ラインアーサも不安が消せないのは同じだった。
それをかき消す様に強くスズランを抱きしめると耳元でそっと囁いた。
「絶対に離さない…。スズランを他の誰にも渡したくない……情けないけど、これが俺の本音…」
「…っ」
情けない程に声が掠れていた。もうずっとスズランには情けない所ばかり見せてしまっている。それでも言わずには居られなかった。
「……ごめん。スズランは物じゃあないのに」
「わたしもライアと離れたくない……あなたの事を、一番近くでひとりじめ…、したいの…」