《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「いや。……その、この耳飾りにも古い伝統的な風習があって…」
「風習?」
不思議そうに首を傾げるスズラン。
「ローゼン家に伝わるこの紋章の耳飾りは大切な人に贈るっていう古くからの伝統があるんだ。俺、祖母にとても可愛がられてたから…」
「じゃあこれはライアの大切な宝物だもん、やっぱりわたしが持ってちゃ…」
「それを……身内ではない異性に贈る行為は、っ求婚を意味するんだ…! だから…」
「……!!」
「……だから、この耳飾り。どうか受け取って欲しい」
「……」
急にこんな事を言い出して驚いただろうか。ラインアーサは祈る様にスズランの瞳をまっすぐ見つめた。その大きな瞳に涙の膜が張り、見る間に溢れ出す。
「…ッ…スズラン!? 何で泣いて、え!? 嫌だった? ごめん、あの…、俺…」
「…っ…! …」
「ああ、どうすれば…」
ふるふると顔を横に振るスズラン。
「……ちが、、ぅの…! だって…っすごくうれしくて…っだってわたし……」
次から次へと零れ落ちる涙は宝石の様に煌めいてとても美しい。
「…っ!」
「ごめん、なさい、涙…っ止まらな…」
ラインアーサの胸は安堵と幸福が入り交じり、どう対処すれば良いか戸惑いながらも未だかつて無い幸福で満たされる。
「……良かった…。俺も嬉しい」
「風習?」
不思議そうに首を傾げるスズラン。
「ローゼン家に伝わるこの紋章の耳飾りは大切な人に贈るっていう古くからの伝統があるんだ。俺、祖母にとても可愛がられてたから…」
「じゃあこれはライアの大切な宝物だもん、やっぱりわたしが持ってちゃ…」
「それを……身内ではない異性に贈る行為は、っ求婚を意味するんだ…! だから…」
「……!!」
「……だから、この耳飾り。どうか受け取って欲しい」
「……」
急にこんな事を言い出して驚いただろうか。ラインアーサは祈る様にスズランの瞳をまっすぐ見つめた。その大きな瞳に涙の膜が張り、見る間に溢れ出す。
「…ッ…スズラン!? 何で泣いて、え!? 嫌だった? ごめん、あの…、俺…」
「…っ…! …」
「ああ、どうすれば…」
ふるふると顔を横に振るスズラン。
「……ちが、、ぅの…! だって…っすごくうれしくて…っだってわたし……」
次から次へと零れ落ちる涙は宝石の様に煌めいてとても美しい。
「…っ!」
「ごめん、なさい、涙…っ止まらな…」
ラインアーサの胸は安堵と幸福が入り交じり、どう対処すれば良いか戸惑いながらも未だかつて無い幸福で満たされる。
「……良かった…。俺も嬉しい」