《完結》アーサ王子の君影草 ~ラインアーサの些かなる悩み事~
「ふふふ、ライアって意外と一途なのねぇ。スズランちゃんが羨ましいわ」
「別に。俺は誤解を晴らしたいだけで特にそういう感情は無い」
「あら、そぉ? ならあたしの誘いに乗ってくれても良いじゃあないの。ね、マスター?」
「………」
この酒場のマスターはどんな話題を振っても無言で頷くのみだ。
実際ラインアーサはエリィの様な歳上の女性の方が相手しやすく、好みである。今まで交流してきた女性も殆どが歳上だ。だがこの酒場にはそういった目的で来ている訳では無い。
極め付けに三つ目の理由。エリィはやたらと女性の知り合いが多く、時に集まってくる女性たちに囲まれてしまう。それはもうハーレム状態であり、まるで遊び人の様に見えるだろう。そんな時に限って、その様子をスズランに目撃されてしまうのだ。決まって不快げな視線をこちらへと投げつけてくるスズラン。もうそろそろ心が折れそうだ。
唯一の救いはこの酒場のマスターであるユージーンには何故か気に入られてる事。息子のセィシェルと良く似た顔立ちだが、性格は真逆でとても落ち着いた雰囲気の渋い男性だ。
「ふぅん。そんなにあの子とお話しがしたいのなら待ち伏せでもすれば?」
待ち伏せなど、ますます嫌われそうな気がするが。
「別に。俺は誤解を晴らしたいだけで特にそういう感情は無い」
「あら、そぉ? ならあたしの誘いに乗ってくれても良いじゃあないの。ね、マスター?」
「………」
この酒場のマスターはどんな話題を振っても無言で頷くのみだ。
実際ラインアーサはエリィの様な歳上の女性の方が相手しやすく、好みである。今まで交流してきた女性も殆どが歳上だ。だがこの酒場にはそういった目的で来ている訳では無い。
極め付けに三つ目の理由。エリィはやたらと女性の知り合いが多く、時に集まってくる女性たちに囲まれてしまう。それはもうハーレム状態であり、まるで遊び人の様に見えるだろう。そんな時に限って、その様子をスズランに目撃されてしまうのだ。決まって不快げな視線をこちらへと投げつけてくるスズラン。もうそろそろ心が折れそうだ。
唯一の救いはこの酒場のマスターであるユージーンには何故か気に入られてる事。息子のセィシェルと良く似た顔立ちだが、性格は真逆でとても落ち着いた雰囲気の渋い男性だ。
「ふぅん。そんなにあの子とお話しがしたいのなら待ち伏せでもすれば?」
待ち伏せなど、ますます嫌われそうな気がするが。